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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

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デザイナーと英語1英語の勉強をはじめる前に知っておきたいこと川畑明日佳|ビジュアルデザイン担当日本における英語学習の現状英語を習得するのに必要な時間この10年ほどの間に「社会のグローバル化」や「グローバリゼーション」という言葉を、ニュースや企業のプレゼンテーション、スピーチなど様々な場面でよく耳にするようになりました。日本社会のグローバル化に伴って英語を社内公用語にする企業が現れ、2011年からは小学5・6年生で英語が必修化されました。英語によるコミュニケーション能力は「グローバル化」に向かう社会において必須のビジネス・スキルとして、これまで以上に注目されている、といえるのではないでしょうか。これは日本に限った傾向ではなく、アジア各国も英語教育に力を入れています。2010年9月26日のシンガポール華字紙「聯合早報」によれば中国の英語学習人口は3億人を超えたそうです。その一方、日常生活や仕事で英語が出来なくても特に困ることは無い、というのが日本に住んでいる私たち日本人の実感だと思います。書店にあふれる社会人向けの「英語勉強法」の本や大量の英会話教室の広告からも推測することができるように、社会人にとって必要に迫られない上に習得が難しい英語を学ぶという事は、始めても継続するのに大変な努力を必要とします。果たして、英語は苦労してまで習得するべきスキルなのでしょうか。そして英語はグローバル化されたビジネスの場ではどのように使用されているのでしょうか。ここではまず、英語の習得を難しくしている要因のひとつである「英語の習得にかかる時間」について、具体的に見ていきたいと思います。日本社会のグローバル化と仕事での英語の必要性がこの先どのくらいのスピードで進んで行くのかは誰にも予測できないでしょうが、英語が社内公用語になったり、業務上の必須スキルになったりすれば学習に対する意識も上がりますし、英語の習得にかかる時間も短くなるでしょう。もちろん、やる気のある・なし、語学習得の才能によって習得にかかる時間は変わってきます。しかし、どんなに才能がある人でも、広告でうたっているような「短期集中」法では語学の習得はできない、というのが皆さんも薄々気づいている真実なのではないでしょうか。日本を含めたアジア各国が早期の英語教育、つまりスタートを早める事によって「長期に渡る英語教育」に力を入れているということも、そう考えると納得できます。外国語の習得時間に関しては、アメリカ国務省の付属機関:Foreign Service Instituteが1973年に「外国語の研修成果と学習時間に関する資料」を発表しています。これによると、英語と全く異なる言語(中国語、日本語、アラビア語、朝鮮語の4カ国語)を主にリスニング、スピーキング能力で日常生活に全く差し支えないレベルに達するまでには、2400 ? 2760時間(80 ? 92週)かかったそうです。この語学研修は、将来の官僚や外交官等をめざすアメリカの難関大学出身のエリート研修生が行った結果です。エリート達が1日6時間、週5日間連続で集中的に学んだのですが、それでも80週(1年7ヶ月)? 92週(1年10ヶ月)かかってしまったというのです。つまり、この資料を参考22