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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

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にすると私たちが、日本語と全く異なる言語である英語を日常生活に不自由しないレベルにまで習得するには、一般的に優秀と言われている人でも2760時間程度が必要になる、ということです。日本の現行の学習指導要領によると中学校と高校での英語の学習時間は、合計で262時間30分+ 612時間30分= 875時間です。この中学校+高校で勉強した875時間を2760時間から引くと、残り時間は1885時間となります。ですからあと1885時間英語を勉強すれば「日常生活に全く差し支えないレベル」に達するだろう、ということが推測できます(ちなみに2013年度よりの新学習指導要領では新しく合計で962時間30分に引き上げられるそうです)。それにしても、1885時間とはどのくらいの長さなのでしょうか。忙しい社会人、特にデザイナーにとっては週2回、各2時間の英語のクラスに通うということは大変な努力ですが、1年を53週として計算すると、それでも1年間合計でたったの212時間しか学習できません。このペースだと1885時間勉強するまでに9年もかかってしまうのです。今、得に必要でない英語を、激務の間にそれだけ辛抱強く学ぶには非常に強い意思の力が必要となります。また、英語が業務上の必須のスキルになった場合、9年も習得にかけていては習得前にクビになってしまいます。更に注目していただきたいのは、ここまでやっても「日常生活に全く差し支えないレベル」であって「ネイティブのレベル」ではない、という点です。英語習得についての個人的な例を紹介しますと、私はイギリスで語学留学をした後に、イギリスの大学・大学院を卒業しました。それから更に6年間イギリスのデザイン会社で勤務しましたので、合計で12年以上「元祖」英語圏であるイギリス(主にロンドン)に住んでいたことになります。英語で学士と修士論文を書き、仕事で毎日英語のメールを20本以上はやりとりし、英語でデザインのコンセプトを考え、英語で会議やプレゼンをしてきました。日本に帰国してからも、主人が日本語が話せないので家庭内の会話は全て英語ですし、テレビや映画も英語で見る事がほとんどです。今年は会議通訳向け(TOEIC 900点以上の人対象)の英語の授業にも週に1回(3時間)、通っていました。それでも、これだけやっても、英語のテレビを見ていて何を言っているのかさっぱり分からないことが頻繁にあります。つまり私の英語は「日常生活に全く差し支えないレベル」以上ではありますが「ネイティブのレベル」ではないのです。私に語学の才能が全く無いのも大きな要因ではありますが、12年も英語圏に住んで英語漬けの生活でも無理だったことから判断して、私は日本で一生英語の勉強を続けても「ネイティブのレベル」の英語は習得できないと思います。とイギリスで勤務していたデザイン・オフィスの庭23