'; ?> 桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012 page 37/76

桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012 page 37/76

電子ブックを開く

このページは 桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012 の電子ブックに掲載されている37ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

展覧会を体験して以上紹介した作品の他も、「道徳」や「給食」、「掃除」など子供たちがイキイキと過ごし、また“自分でゼロから考えていくキッカケ”をアイデアに作品化して定着できたと思う。まだまだリアルには取り込めないこともあるのは事実だが、もしこれらの方向で本当に実現していったら、紋切り型の返答から変容していく可能性はゼロではなくなる。なぜなら、このような教材はおおもとは学校の先生や親に向けたメッセージになっているからだ。子供たちの返答は半分以上、大人たちが彼らの意識の中に関与している。その人たちの考え方・価値観を変容していくことこそ、メッセージをデザインという技を駆使しながら世の中に問いかける行為が、存在意義の証明になると思うのと同時に展覧会で発表する価値が与えられるのではないだろうか。“日本再生”と意識するのは政治家や大手企業が筆頭のように浸透しているし、何かと数字で語られるが、本質はミクロの人々の気持ちや意識だと感じる。一人単位で人々の気持ちを変えていくことは並大抵のパワーでは立ち行かないが、逆に倒れるくらいまで作品と向き合った人間は、そのことを少なからずともイメージすることができるものなのだ。なんでも参加意識する人間を育てたい、というのが、今回の企画の機会を与えていただいた、川俣忠久先生にはこの場をかりてお礼を言いたい。ありがとうございます。そして、学生にはこの体験を忘れず、いつでも自身に問い続ける人になって欲しいと願うばかりである。35