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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

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やるしかない「書」。書のみち事始め日記。その3青山眞|ビジュアルデザイン担当書のみち事始め日記。その3りコタツに座り、墨をすることから1日が始まる。贅沢な時間だ。以下は2009年5月以降、私し青山が書道に出会い、また桑沢の授業の中に書道が入ってきた記録である。門外漢である私がその都度考え、感じたままを記憶にもとづき表記したもので、錯誤がある場合はお許しいただきたい。昨日より今日の方が確実に巧くなり、今日より明日の方が「見えないものが見えてくる」。書くという行為により「書の歴史」が見えてくる。書いて初めてその良さが分かる。じつに不思議で豊かな時間だ。これが「桃源郷」というものなのだろうか。2011年3月1日(火)「夜中に周囲が寝静まった時間、またあるいは家人より少し早起きして、ひとり机に向かい墨を磨るのもいいものです。むろん日中、近所の人々の暮らしの物音や声を遠くに耳にしながら、それに思いをはせつつ、墨を磨るのも悪くありません。墨の香りが部屋に立ちこめ、墨頂が硯面に触れ往復運動をする際の音と手応えを感じる時、なんとも言えない豊かな気分になります。このような時間こそが『桃源郷』と呼ばれている世界なのかもしれません。」いろいろ手をつけるより、同じ字半紙に法帖の原寸サイズで書く。を数文字繰り返す方が字形(結構)小筆はまた違う難しさがある。を覚えやすいと思い、書いていた。これは高根先生が下さった書家石川九楊先生の文章「書を書く楽しみ」の冒頭の一節だ。自分の生活がすっかり変わった。書道を始める前は早朝愛犬とともに散歩をするのが常であった。犬の名前は「フライデー」という名前だった。ロビソンクルーソーからとった名前だ。十年近く生きた愛犬「フライデー」が書道を始めたその年の冬に死んだ。いわゆるペットロスになった。そんな気持ちを書道は癒してくれる。朝の日課は書道に変わった。早朝、庭に向かう掘東日本大震災当日の朝に書いた臨書。線に強弱がなく少女の体のような文字。50