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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

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して受け入れて、手工芸品や手料理などの販売で現金収入を得る「観光村」ともなっている。次に訪れるのはカンチャナブリ付近の森の中のスナンタワナラーム寺院。タイ経済成長時に伐採などで荒れてしまった土地へ日本人僧侶アチャン・光男カヴェサコーがインドを経て辿り着き、10万本の苗ラオ・ソン民族の村Visit Lao Song village, by the Traveling Workshop木を植えて森を再生したという森林派の僧院。周辺の村人に寺院の建設や植林など乾期時の仕事を与え、雇用と教育の機会を生み出してきた「開発僧院」である。説法を受け、僧侶との談話の機会を得て現代社会におけるデザインの真の役割についての意見を交わす。この日はこの寺院に宿泊。二日目は、宿泊したスナンタワナラーム寺院にて早朝活動からスタート。夜明け前の読経、歩行瞑想スナンタワナラーム森林寺Sunantawanaram Temple.ここは近くにダムが出来たあとに道がつき、木が刈りつくされてしまった場所。日本人僧侶であるアチャン光男カウエーサコーがインドを経てたどり着き、木を一本一本植え、寺をつくった瞑想の場所。を経て森の中のパゴダエリアで呼吸瞑想。そして僧侶とのデザインセッションという、異色で貴重な森林寺院体験だ。トラベリングワークショップ最後の訪問地は、バンコク西部のナコンチャイシ―川沿いのドンワイマーケット。多くの水上マーケットが観光資源として再開発されたバンコクのマーケットの中でも、ここは地域に根付いたコミュニティを辛うじて保つ古くからの水上マーケットだ。迷路のよう早朝4時からの瞑想&説法「ピラミッドを逆さに建造するほどの人間の叡智と技術は素晴らしいが、そのまま使うは危なっかしくて見ていられない。デザイナー諸君もその力を顕示せず、人の為に正しく使え」と戒めを受ける。に小道が入り組む市場を散策しつつ、地域の暮らしを垣間見る。大震災と原発事故を経て物質的な豊かさへの依存状態から目を覚まされた私たち(日本からの参加者)にとって、この二日間のトラベリングワークショップで触れる人のくらしの原点とも言えるような小さな村の生活や寺での活動、地域コミュニティに学ぶことは多かった。また、文化や歴史、生活環境の全く違うアジアの様々な国と場所から集まった仲間と一緒に旅をすることで、話し合いだけでなく日常会話の中からも新鮮なアイデアや視点を得る事もでき、有意義な経験となった。もちろん、これを感じているのはそれぞれの国からの参加者たちも同じだ。ドンワイ寺院とドンワイ水上マーケットDON WAI floating marketバンコクの中心部から西へ30キロほどのナコンチャイシー川沿いにあるドンワイ水上マーケットは、辛うじて水運の衰退から逃れ、かつ地元のコミュニティが残って生き延びたローカルマーケット。トラベリングワークショップからホテルへ帰着後、参加者は食事も早々に切り上げてグループに分かれ、旅で考え感じた事を発表し合った。最初の訪問地ラオ・ソン民族の村では地域に根差した暮らしと都市化の影響の間に横たわる不均衡を考えさせられた。ラオス北部に起源をもつ少数民族が59