ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

写真1「あんなに愛しあったのに/ Massive Water」※公式写真より抜粋なぜ“七夕”なのか?縫」「先祖」「祭り」などなど地域と時代で考え方が異なっていたことも分かった。ここ数年、モノの本当の価値と可能性を探し、SHIBAURA HOUSEという外の場所で実際の一般の方々に向けて発表してきた川俣ゼミであるが、今回はタイムリーな発表がふさわしいテーマで挑戦することを踏まえ、制作から展示までの期間を考慮し、7月7日の「七夕」を取り上げた。七夕に限らず、日本人が日本の行事や習慣、風習など、よく分かっていないケースが実に多い。七夕について悪いイメージを持っている者は少なく、“絵”や“イマジネーション”が豊富な題材なので、「リサーチ」→「理解」→「新しい価値の模索と提案」→「ビジュアル化」→「独自性の検証」の一連の手順が踏めると考えた。そのような状況を理解しての展覧会。場所は今回はテーマがテーマなだけに燦々と光が入ってくるSHIBAURA HOUSEではなく、当校の1階ホールで宇宙的な空間を意識した方が適切であろうというそこで、「何を着地点にするか?」は、現在の節句を祝う理由が希薄であることを問題視しながら、本来の意味である「恋愛」「豊作」「雨乞い」「裁縫」「先祖」「祭り」の中から各々が一つテーマを設定し、今の人にそのことを紹介しながらも、共通の「願う」という行為の手助けになりつつ、受け入れられやすいカタチに置き換えることが「Design」の行為と考え、取り組んでいった。ここで、いくつか紹介していきたい。先に述べたが、最初が台湾出身の学生による作品。(写真2)台湾では、恋人どおしが祈りをこめて願う風習があるということで、それをテーマにしながら「文字」と「人」とで向かい合う関係でインスタレーションを作成。星を見上げるように天井からぶら下げ、その六画の空間に入り、願う仕掛けの作品である。実際にその空間に入ってみると見えない壁判断となった。「七夕」とは、もちろん節句の一つであり、旧暦の7月7日の夜の天の川、織姫と彦星のエピソードが有名だが、七夕は日本だけの風習ではなく、中国、台湾、日本、韓国、ベトナムなどにおける節供、節日で、当ゼミで台湾出身の学生がいるのだが、子供時代から七夕のお祝いをしていたそうである。ちなみに台湾では、“恋愛がうまくいく”という説が一般的らしく、男女の祈りをささげる傾向にあるようだ。また、日本だけでも、「恋愛」「豊作」「雨乞い」「裁写真225