ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

サステナブルデザイン研究活動事例サステナブルデザイン国際会議【テーマ】?“It's time to go back to Village”「さあ、村に帰ろう」エコデザインによる技術イノベーションを進める一方で「社会イノベーション」を起こすべく、2006年に活動を開始。『サステナブルデザイン』を、現代文明がもたらした社会的課題をグローバルな視点で認識し、その課題解決と新たな社会の枠組みについて考える計画行為及び実践”と位置づけて会議を開催している。筆者は2007年より参加、2009年からは実行委員として参画している。サステナブルデザイン国際会議は、あるべき未来から現在を振り返り、持続可能な価値を再定義するデザイン活動であり、サステナブルデザインに関する協議・実践・報告・提案・振興の場として設けている。ターゲットは私達自身を含む人の心であり、100億の人々で一つの地球を共有するという現実世界。その為にデザインを、狭い専門領域から開放し、より自然に誰もが実践する活動に戻すべきだと考えている。第9回サステナブルデザイン国際会議は、インドネシアのジャワ島中部南岸にあるジョグジャカルタ市から車で数時間離れたところにある、カンダンガンという村を中心に、周辺の村をまわりながら開催。カンダンガン村では、村で育てた木を材料に、手作りの工芸品を作ったり、有機で農作物を育てたりと自然にも人間にも優しい暮らしをしている。この村々を巡り、現地のサステナブルな生活に触れながらアジアの人々と共にアジア型のサステナビリティについて考る。村というコミュニティは国の縮図であり、村がサステナブルであることは、ひいては、国、世界のサステナビリティにつながります。ところが、現状はというと、村からは資源(人的資源、物質・経済資源ともに)が都市に流れてゆくだけで、都市を支えるための素材提供の場にしかなっていないのです。若者は、村に仕事がなく、都市に仕事や未来をもとめて移動してゆきます。または、学びを求めて都市に移動したとしても、それを活かして仕事をする場が村にはありません。村のコミュニティが、もっと多様な働き方を受け入れられる場であれば、村の若い人々も都市に仕事を求めて移動してゆく必要はないかもしれません。村も、人的資源をとても必要としているのですから。今回のテーマ、「さあ、村に帰ろう」には、この会議の参加者に村の持つポテンシャルを体験してもらうことで、人が住む場所を選ぶときの選択肢を広げることにつながればという思いが込められています。(プログラムパンフレットより)56