ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

やるしかないつ「書」。書のみち事始め日記。その4青山眞|ビジュアルデザイン担当Makoto Aoyama以下は2009年5月以降、私し青山が書道に出会い、また桑沢の授業の中に書道が入ってきた記録である。門外漢である私がその都度考え、感じたままを記憶にもとづき表記したもので、錯誤がある場合はお許しいただきたい。と俳人河東碧梧桐の「蘭亭序」他一連の俳句の書です。中村不折の「龍眠帖」は中国六朝の「爨宝子碑」や「中岳嵩高霊廟碑」の文字をモデルにしています。しかし、形の上では酷似しているとはいえ、「龍眠帖」は六朝書の再現や模倣の域をはるかに超えています。もはや西洋近代絵画における写生や現代抽2012年4月5日(月)書道というのは山登りに似ていると思う。裾野や沢道から入り、尾根道を上り、沢を渡ったり。自分の歩いて来た道や見た景色を記憶にたどると、確実に登って高度は増してはいる。だがこの先の稜線や頂上が見えない。さらに頂上に至るまでの道が見えない。手探りで薄明の山道をポツポツ行くようなも象画に見られるような近代的・現代的構成に基づく表現に近いものになっています。河東碧梧桐の書は、もともとは中村不折の「龍眠帖」の達成からスタートしたものですが、さらにその閾を突き破っています。「蘭亭序」に見られる表現は無季・否定型にまで突き進んだ自らの俳句の表現と連動した、見事な近代的達成にほかなりません。のだ。不安と期待が交互する。2012年5月3日(木)「河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)」の本を見つけてた。魅力的な字を書いた人だ。石川九楊先生の本、「説き語り日本書史」の中で紹介されて「河東碧梧桐」を知った。ご本人には失礼な言い方になるかもしれないが稚拙な字である。稚拙さの中に良い味がある。調べてみると河東や中村不折の出て来た当時は新鮮(奇異)な目で見られたとある。新しい風として絶賛された反面。不評な声も高かった良いのだろう。たしかに王羲之から脈々と至る王道とは違う道にいるが、心がひかれる。ここに「説き語り日本書史」の本の抜き書きをする。副島種臣の思想的=政治達成とは違う形の表現で注目されるのは、近代洋画家・中村不折の「龍眠帖」雑然と半紙が並ぶ自宅の和室。雁塔聖教序や黄庭堅、蘭亭序などその日の気分で法帖を変える。書いた半紙はすぐにしまわずに1?2日放置しておく。時差をおいて見ると自分の欠点が見えてくる。そしてまた落ち込む。62