ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

2012年5月21日(月)浅葉ゼミの前期の月曜日は書道の時間。今日はいつもの臨書からはなれて創作の授業だった。自分の好きな言葉を自由に書くという授業だ。臨書の時とは学生の姿勢が違う。何をどのように書くか。真剣だ。デザイン・タイポグラフィに対する気持ちとかわらない。違うのはやり直しがきかないということだ。いわゆるコマンドZができない。誰の言葉か忘れたが「書は画より端的である。造形芸術の中でいちばん最短距離の勝負をする。」と浅葉ゼミの書道授業。高根先生と学生。いう言葉を思い出した。やはり臨書と創作を同時平行することが大切なのかと改めて思う。2012年8月9日(木)今日は上野の国立博物館に「青山杉雨の眼と書」を見に行った。青山杉雨(あおやまさんう、1912-1993)は昭和から平成にかけて書壇に一時代を画した書家である。青山という名前が私の家と同じだが、愛知県生まれの書家である。私の父も同じ愛知出身なので遠い親戚になるのかもしれない。青山杉雨は西川寧(にしかわやすし)に師事して創作中の浅葉ゼミの学生。真剣なまなざし。「書は画より端的である。造形芸術の中でいちばん最短距離の勝負をする。」という言葉を思い出す。実作と古典研究に没頭し、作家として頂点をきわめたらしい。「一作一面貌(いっさくいちめんぼう)」という有名な言葉を残したように、展覧会は多様な表情を持った作品群でバラエティーに富んでいた。作家の書室の再現や私的なコレクションなども展示してあった。そのコレクションの中で1番は何紹基(かしょう青山杉雨「車馬囂々」き)の作品があったことだ。この作品は前々から本などで見ていたが、まさかここでお目に書かれるとは思ってもいなかった。何紹基はとてもいいと思う。いつかはあのような字が書けるといい。上野のあと神保町へ行った。久しぶりだ。目的は教え子でビジュアル分野の教務助手をしている「佐藤美貴」のグループ展を見るためだ。なかなか味のある木版画を作る。枯れていく花を描写し、木版画にしたものだ。これからも継続して制作してほしいと思う。帰りに古本屋街を散策していると書道の本が充実している古書店があった。ちょいと入ったら、店先に雑誌「墨」のバックナンバーが平置きしてあ何紹基「山谷題跋語四屏」64