ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

ページ
7/72

このページは 桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

バービカン・センターバービカン・センターの中庭メイン会場:バービカン・センターについて2003年には「ロンドンで最も醜いビル」に選ばれたこともあるバービカン・センターですが、コアな建築やデザインファンからは「英国建築の至宝」と考えられていたり、意見の分かれる建築物として有名です。バービカン・エステートと呼ばれる商業・居住複合再開発区内に1982年に完成したバービカン・センターは、第二次世界大戦の爆撃で廃墟となった地区を再開発したヨーロッパ最大の文化複合施設です。2,000戸以上のマンションとの複合施設ですから複雑な構造の施設ですが、年間を通じて質の高い展覧会や音楽、演劇、ダンス、映画、クリエイティブ関係の教育イベントなどを開催しており、アートに敏感なロンドン市民の生活に深く根付いた文化施設となっています。「バービカンはいまやパフォーミング・アートを牽引している」と、英国の有力紙ガーディアン新聞の記事に書かれるほど文化施設としての地位を確立しています。チェルシー、ケンジントン、メイフェアなどロンドン西部の高級山手エリアに対してバービカンのあるロンドン東部、イーストエンドは下町のエリアです。精肉市場「スミスフィールド」で有名なクラークンウェル(Clerkenwell)地区に隣接し、北にはショーディッチ(Shoreditch)やハックニー(Hackney)が控えています。イーストエンドには、近年デザインや建築関係の事務所やクリエーターが大挙して移り住んで来たため、下町の雰囲気が一変しました。若いオシャレな住民が増え、アートやトレンドの発信地として最先端のカフェやレストラン、バーなどが数多く開店しました。ロンドンのデザインやアートを語る上では一番重要な地区といえ、クリエイティブなエネルギーが溢れる町として観光客も多く集まり、今ロンドンでは一番ホットなエリアとして注目を集めています。しかし15年前までのバービカンやショーディッチ、ハックニーといえば、ニューヨークのハーレムに匹敵する、普通の人は入り込むことができない程の危険エリアでした。ロンドン・オリンピックによる交通整備も加わり、発砲事件なども頻繁にあった地区がわずか15年あまりで日本の観光ガイドブックに登場するようなトレンドの発信地に変貌を遂げたのは驚きです。一方で、急激に変化したため、古くからの観光地として確立されている山の手エリアに比べてホテルの数は多くありません。安全面で不安な宿か、高価な最新のデザイナーズ・ホテルか、といった限られた選択肢がほとんどですから、このエリアでのホテル選びには注意が必要です。5