ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

写真1:「遊具の透視法」※写真1、2、3共に、公式写真より抜粋http://www.mabataki.com/works/写真2「バケツの切り株」写真3「りんごのけん玉」すると、「これまでのモチーフの印象(トーン&マナー)」と「自身の好きな世界観」のマッチングのみで終了する。そこにメッセージは産まれていない。それを「つくる行為」と勘違いしてしまうと、その後の成長はなかなか期待できないし、その人の「工なのである。それでも勉強の姿勢は受け身かもしれないが、積み重ねることで、いつのまにか自身で発想していくことにつながっていく。「受動」から「能動」はグラデーションのように切り替わると考えている。夫の無い学びの姿勢」が早々と定着してしまう。また、客観視が難しくなる。そのような人のポートフォリオは独自の視点が無い当たり障りのないものであり、会社に持ち込んでも、他者との違いの根本が分からない結果になってしまう。このように問題点を文字化すると深刻な印象になってしまうが、それでは理想の<3>とは何か。それは作品を創作するにあたり、<1>と<2>を踏まえてどのような表現に落としこんでいくかを、マッピングにより一つの地点を決めていくことである。作品を観る側の気持ちを、相当考えなくてはならない。話を元に戻すと、今筆者が感じる変化とは「自身で考えない、創造しない癖」がついてきてしまっていることである。「容易に調べられるネット環境」や「答(のようなもの)がすぐ出る錯覚」に陥ってしまう現在。しかもよくあるパターンは、アイデアがでるキッカケが、制作に取り組む直前にたまたま観たモノに影響されて、検証無しにすぐに取り組んでしまう場合がとても多い。“de・sign”は新たに提案し価値をつくるということ。その現状を十分に配慮しながら、「本当に理解するための勉強法」を常に意識する必要がある。その上でのロードマップを与えればいいに違いない。まずはそこがスタート「見立てる」というアプローチ「分かりやすさ」が求められている。文学、演劇、音楽、美術の芸術分野や、裁判員制度によるパフォーマンス(実際に裁判員などに受けが良さそうな容姿の検事、弁護士が増えている)、政治の公約における具体性まで及んでいる。あらゆるものや状況が“可視化”されている。ただ“魅力”という意味では“謎”の部分が存在しなければならない。つまり“分かりやすさ”と同時に“その先の魅力”を導きだす追求が必要になる。その両方が上手く共存する手法で「見立て」という考え方がある。その「見立て」が優れている作品を続々とつくり出している作家に鈴木康広氏がいる。2014年8月2日~ 2014年10月19日に水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、鈴木康広展「近所の地球」が開催された。筆者が関わっている授業「制作の現場」でも年に一度、公演にも来てもらっている。そんな関係もあり、鈴木氏本人から展覧会の招待状が送られてきたため、学生たちを連れて行ってきた。すると、鈴木氏本人がたまたま会場におり、挨拶もそこそこに本人による作品プレゼン33