ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

写真7写真8らに魅力が向上する世界観に定着していく作業が必要になる。(ここをないがしろにする、あるいは意識しない人も多い)人は現実の日常の延長線上にあるビジュアルで感動することが少ない。なので、ファーストインパクトを獲得するためにビジュアルの“1エッジ”を意識する。これを“表面上”という人もいるかもしれない。だが、学びの順番として「1エッジ」のビジュアルで人を魅了して、感動してもらえた経験を経ないと、さらにその先の“表面上”ではない骨格のあるビジュアルの理解をしようというステージまでいかないし、モチベーションがあがりにくい。つまりは、「骨格」と「エッジ」を何度も行き来し、それぞれの役割を正しく認識していくことがビジュアルデザインにおいて“健やかな成長”と考える。そういった視点でこれまでの理解を成果として示してくれた学生作品を紹介する。一つ目は写真7の作品。ファッションは自身を組み立て直すことであるというコンセプトで、写真を円で再構成している。この1エッジの写真表現にしていくために、プリントした写真を何度もコピーしたりFAXで試したりと、「骨格」から「エッジ」への繰り返しをして作品、定着できている。二つ目は写真8。この作品はスタイリングに相当凝っているが、最初は写真9のように写真が日常的な色合いになっており1エッジまで到達できなかった。原因は「色は明るくて彩度が高くハッキリしている方が良い」というイメージがついてしまっている。(デジタルになってからデフォルトとしてこのような考え方が浸透しているように思う)それを彩度を低くし、色相を非日常に感じるゾーンまでスライドしてファンタジーの統一感を持って定着させた。ファンタジーとは、日常の生々しさから少し距離をとる行為である。この世界観の良さは他の生徒からも評価され、作者の意図がビジュアルのみで伝わった経験となった。そして、これらをさらなる指導をするための研究していくにあたり、さまざまな技法の経験を重ねなくてはならない。作品10、11の二点は、Irving36