ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

やすでにその変化は二乗的に進んでいるのだと、参加者全員が感じるのだ。雨季の始まりの時期、じつはプレゼンテーション開始と共に突然の激しいスコールに見まわれ参加者たちはタープの下で寄り添うようにディスカッションした。そのおかげで、各国から参加のメンバー同士、コミュニケーションの距離も近づいて和やかにプログラムが進んだ。3月19日ファインディングワークショップ「SPEDAGI」2日目「from BRICK to Fish」ブロックレンガ生産と魚養殖このプロジェクトは農業からレンガ作りに転向した農家を緩やかに農業に呼び戻す事業。村では不安定な収入を嫌い、農業離れが止まらないのだという。レンガ作りは決して高収入というわけではないのだが、年間を通じて安定する収入源。でも土は有限、一度放棄された農地を元に戻すのは大変だ。「from BRICK to Fish」は失われつつある原風景としての農村の変化を少しでも緩やかにしたいというSinggih氏の想いから始まっている。レンガの土の為に掘られた土地の穴に水を貯えて、ナマズの養殖を指導している。ナマズ養殖の収入だけでなく、灌漑池として利用しながら土地を回復させ、いずれ農地に戻そうという取り組み。また、収入の方法を分散させる事で、急激な工業化を食い止め、農村を維持していきたいというのだ。一見、デザインとは縁遠くみえるが、重要なハブを作り添加してあらゆる物事の繋がりをつくってゆく、Singgih氏の一貫したデザインフィロソフィーが事業の根底にある。「Batik&Coffee Kelingan」バティック&コーヒーセンター手間のかかる伝統的なバティック織物も、この地域では存続の危機に瀕している。これまでの「SPEDAGI」での職人と作家との出会いが、その危機の一つを救いつつある。それぞれの地域毎のモチーフによる固有パターンが特徴のバティック織41