ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

作ることを避けようとしている。また、丸太として使用するのは、あまりにも自然そのままだとも感じるので、とりわけ角柱に製材されたものを使用することが多い。前回制作したものは、「柱ツクエ」「柱イス」(fig:3)というもので、「柱ツクエ」は杉の芯材をもった100x300mm断面の角材を使用し、「柱イス」は、建材で通常柱として使用される100mm角の断面のものを使用した。今回も、杉=線材=柱ということは意識し、また、出来るだけ安易に調達できる大きさのものでありながら、駅前広場という場所の特性から、人々が座わることの出来るものを作るという目的もあった。100mm角のものから様々な断面の大きさを検討した結果、座面には最低限150mm角の断面のものが必要という結論に至った(fig:13)。(fig:13)150mm角の杉材(fig:14)有馬晋平氏のすぎこだま杉を生かしながらも、そこに自由度を見出だす最近、何人かのデザイナーによって、杉を使用した家具やエレメントは多数出ており、その中には、巨大な無垢の杉材の質感や年輪のテクスチャーを生かしたもの(fig:14)、柱材をそのまま生かしたもの(fig:15)などがすでにデザインされている。特に、柱材としての特徴を生かし、出来るだけ恣意的な形態を作らないデザインとなると、すでにその可能性はやり尽された感もあり、非常に難しく感じながら新しい可能性を探っていた(fig:16)。そこで、通常は柱の状態でありながらも、時に、柱の状態からは全く予想のできない形態に変化することができないかと考えるようになった(fig:17)。(fig:15)南雲勝志氏の作品スギムシスタディを重ねる中、柱状のものが、その両端をクルクルと自由に回転させることで、様々な形に変形し、また元に戻ることを思いついた(fig:18)。(fig:16)作者によるスケッチ0165