ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

ノを見てみると結構面白いものを持参してくる。「実験室のシャーレ」「Gペンのペン先」「ご祝儀袋」「フィラメント」「扇子」「カリグラス」「箸」「ガラスペン」などなど。面白いのが、選択した人が、持参したモノに対して、それぞれエピソードがあるということ。幼少期の事件や、特別な思い入れがあり、プレゼンテーションも“熱の入った自分の言葉”で語ってくる。ここまで来たら、あとはその中のたくさんの魅力の「どの一つの魅力をセレクト」できるかにかかってくる。例えば、「Gペンのペン先」を選んだ場合、どの魅力要素を一つの切り口として選択するか。ペン先の“鋭さ”のちょっと危険さも兼ねた美しさを伝えたいのか?、“先が光1点に輝く”美しさ?か、“インクをヌルヌルと紙に伝える”美しさ?なのか、どれを選択していくかは、今後のビジュアルづくりの肝になるので、どれが不正解ということではないが、複数の伝達内容を同居させない方がビジュアルとして強くなる。そのようなこともイメージしながらのアイデアスケッチをいくつか紹介する。<案1>“想い”と“定着”の誤差上記の(案1)から(案3)のラフスケッチは、それぞれモチーフを選び、特長をどのようなアングルやデザイン案で構成したら相手に伝わるものになるかを探りまとめた段階である。そのためにモチーフの歴史からエピソードまで、あらゆるリサーチをおこなってもらい、一枚画で理解できる可能性を探っている。なのでここではモチーフに対して一案しか取り上げていないが、何十案も考えてもらっている。それを客観的に観て自分が相手に伝えたい“想い”のレベルとデザインを駆使し“定着”した時の誤差をなるべく縮めることができたビジュアルになっているかを意識してもらう。この作業が“伝わる作品”づくりの根幹なので、相当意識し、大事にしてもらっている。そして(図4)から(図6)は次の段階でおこなった試作の一回目。この時期は2年生になりたてということもあり、画面内のマージンの意識やビジュアルと文字、大きさのバランスなどの関係性も考え方<案3><案2>34