ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

がない、ただそれだけだ。それは親や祖父母が何を読んできたのかに興味がない。つまり身近な人に興味がないということ。地域の文化を保つには、そこに生きた人たちが何を学び何を考えてきたかを知り伝える必要がある。まずは人に興味を持つことを「本」で伝えたい。そこに残る本には、その人の学びと思考の痕跡が残っている。本を残してそれを公開し次代につなぐことが、地域の次の文化を作ることになるはずだ。」吉見氏が収集した本は約5万冊。すべて引き取り手のない廃棄予定の本です。これらは村の廃校を借り上げて改装した私設公民館「阿東文庫」に収められ、オープンな地域図書館として内外コミュニティの接点になっています。「阿東文庫」と「SPEDAGI」それぞれ地域の活性化のためにスタートしたプロジェクトが出会い、これらのリソースを活用して日本版「SPEDAGI」を山口阿東にと、機運が高まったのです。地域にたくさんの若者が帰ってくる事を願って、「SPEDAGI」の理念が日本のコミュニティーにも世界にも有効であると確信して、いよいよ「SPEDAGI Japan」が始動します。ています。筆者は「SPEDAGI Japan」のボードメンバーとして、都市部(東京)でもワークショップを開催することを企画し、今回、親子で参加するワークショップの東京での開催を想定して組み立てキットの「SPEDAGIバンブーキッズバイク」を提案しています。日本において地方と都市共通の課題の一つは子供を育てやすい社会にすることです。最小単位の乗り物である自転車と子どもたちが住民や地域の垣根を超えて、新しい交流の種まきになることを期待します。「SPEDAGIバンブーキッズバイク」は、親子で竹の自転車を組み立てて地方地域の再生に触れる機会となり、都市における地方地域への架け橋として両者連携の可能性を探ります。5:「SPEDAGI Japan」山口県阿東と東京で始動。日本の地方地域は様々なアイデアを持つ人材、地域資源がある一方で、他地域との距離感や交流障壁が目立ちます。「SPEDAGI」は地方地域の活性化のためのプロジェクトですが、「SLOC」のキーワードが示すとおり、隣人である都市との連携も重要です。日本の都市部における課題の一つは、このような地方の取り組みに興味をもってコネクトすることだと考えています。近い将来、私たちは「SPEDAGI」プロジェクトを日本の各地でスタートさせたいと考えています。現在、阿東の竹を用いて「BAMBOOBIKE」を仕立てるために材料と加工方法の確立を目指し、検討を始めています。また、「SPEDAGI」は都市と地方をつなぐプロジェクトでもあり、地方地域での開始とともに都市部でも同時的に参加しやすい宣伝的なイベントが必要だと考え「バンブーキッズバイクのプロトタイプ」「バンブーキッズバイクのプロトタイプ」52