ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

46性質:通常のジェッソ(白色)を少量混ぜただけで基底材の透明度は顕著に下がり、反射率が上がるが、モデリングペースト・ライト独特のふんわりとしたボディが白のまぶしさを和らげている。生成りの綿布がもつ風合いは損なわれるため、従来の培相の見え方と差が出てくる。基底材候補D配合比:ジェッソL = 50%、モデリングペースト・ライト= 50%性質:基底材A のクリアジェッソを通常のジェッソ(白色)に置き換えた配合。さらに反射率が上がるため最終的に作品に残る地色としてはややまぶしい白となる。薄い絵具でもしっかり発色させられるため、線以外の領域にも彩色する場合に向いている。 今回利用した素材はすべて粘度の異なるペースト状である。これらを調合ときは、容器に入れて撹拌するよりも、平面上でナイフを使って練り合わせた方が均一に混ざりやすい。十分に練り合わせた後、必要に応じて水を加えて粘度を調整する。塗布にはゴムべら、ローラー、そして刷毛を併用し、テクスチャーを調整した。描画材について 「培相」ではあえて簡素で日常的な描画材を選択してきたが、今回これを見直し、新たな描画材の導入を試みる。 リサーチの過程で目にとまったのはHOLBEINACRYLIC COLORS[INK] である。この絵具は液状でありながら練り絵具と同等の顔料濃度をもち、高い被覆力と発色の良さを発揮する。また、関連用具として「マーカー容器」が販売されている。これは中に調色した液状絵具を詰められるペンであり、ニブ(フェルト状の部分)の太さを6mm、15mm、30mm、50mm から選択できる。前述の通り、筆と絵具によって途切れなく長い線を引くのは簡単ではないが、「マーカー容器」ならば、適量の絵具が絶えず供給されため、かすれたりたれたり図 B 図 C