ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

47せずに長く線を引くことができる。さらに、ニブの硬さが画面と画材の接触面積を一定に保つため、線の太さも安定する。必要に応じてニブを削れば、線の太さや表情を変えることも可能である。4 つの基底材候補における描画テスト基底材候補A の描画テスト[図B]従来の「培相」に最も近い発色となる「フタロターコイズ」をマーカー容器15mm に詰めて使用した。ニブの形状や筆圧などを調節し、どの程度のインクフローで流れ落ちが生じるか、線の表情にどのような差が出るか、求める発色得るために重ね塗りが必要か、などを検証した。作業中に気づいたことは筆記用フェルトペンで画面に直接記入していった。基底材候補B の描画テスト[図C]「モーブ」に「ハンザイエロー」を少量混ぜ、マーカー容器15mm に詰めて使用した。基底材の吸収力が強いため一度塗りではにじみが生じ、乾燥後に絵具の発色が若干「引く」傾向が見られた。また基底材のテクスチャーが粗く硬いため、ニブの傷みが非常に早かった。基底材候補C の描画テスト[図D]「ウルトラマリンブルー」を詰め替え用マーカー容器15mm に詰めて使用した。この絵具のウルトラマリンは不透明であり、オフホワイトの基底材でも鮮やかに発色する。基底材の吸収力も良好で、フローをかなり多くしても絵具がたれることはなかった。基底材候補D の描画テスト[図E]「サップグリーン」と「ハンザイエロー」に「ペインティング・ソルベント」を加えて透明度を高めた絵具をマーカー容器5mm に詰めて使用した。目指す発色を得るのに3 回程度の塗り重ねが必要であった。地の一部を着色したり、別の色の線を重ねたりという試行も合わせておこなった。気づいたことは筆記用フェルトペンで画面に直接記入した。図D 図E