中学からテニスをしていて、大学生のときに、プレーすることよりもテニスラケットというプロダクトの面白さに目覚めました。卒業後はテニスラケットの商品開発部を目指して就職しました。運営という立場から仕事をしているうちに、商品が置かれている空間や環境に興味を覚えるようになり、インテリアデザイナーという仕事があるのを知りました。〈桑沢〉のカリキュラムは、1年次にビジュアルからスペースまですべてのデザインの基礎を学びます。ものをつくるということを学んだ経験がなく、会社を退職してしっかりとデザインを学びたいと思っていた私にとって、とても魅力的でした。
フェアトレード論や住宅論など、印象深い授業はたくさんあります。特に、基礎造形の立体の授業で学んだ「デザインにおける制約」が勉強になりました。自由が制限されているからこそ統制が取れ、きれいな形が生まれるという考え方が、私にとってはとても刺激的だったからです。また、〈桑沢〉では大量の課題が出るため、自分の理想を求めれば求めるほど制作は大変になります。ですが、努力を惜しまなければ、必ず成長できる学校だと思います。