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2022.10.17書籍『TOKYO 100 Apartments』 ブックデザイン

情報提供:(教職員)

書籍『TOKYO 100 Apartments』 ブックデザイン

工藤強勝 所長と本校卒業生 大竹優風さん、板谷言葉さんが書籍『TOKYO 100 Apartments』のブックデザインを担当されました。

アートディレクション 工藤強勝
デザイン 工藤強勝+大竹優風+板谷言葉+勝田明加里/デザイン実験室

発行:鹿島出版会
A5判 272ページ
定価 2,700円+税
ISBN:9784306085695

大竹さんと板谷さんは工藤強勝ゼミで学ばれていました。

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*ブックデザインのこだわった部分について、工藤所長からお話しを伺いました

建築関連の作品集は「写真・図面・ディテール図・矩形図・アイソメトリック」などを収録するので、どうしてもA4判(大判)サイズになりがちなものをA5判にコンパクトにまとめられないか、という挑戦もあり、しかもスケール(縮尺率)もしっかり掲載し、またA5判・ソフトカバーでありながら、製本はノドまで、目一杯開いても、壊れない「糸かがり綴じ製本」を採用しました。

「糸かがり綴じ製本」はこの数年、出版業界ではほとんど、みられなくなりました。
理由はなんと言っても製本代がとても高価になることや「糸かがり綴じ製本」事態の受注が少なく、可能な製本会社も少なくなってきました。
大半は「網代(アジロ)無線綴じ」です。
ただし、今回は僕の著書『デザイン解体新書』の造本を手がけた時に上製本(ハードカバー)にするよりも、その予算を製本に活用することにし、P.C.の脇に置いて、長期にわたって、開いたり閉じたりしても壊れず、書籍の “ノド” いっぱい開けることを実践済みでした。
従って、今回「糸かがり綴じ製本」に版元は難色を示しましたが、著者と一緒に説得しました。
 
それから、やはりカバンに入れて移動中などでも手軽に目を通せるようなサイズを採用したのも『デザイン解体新書』の経験を活かしたものです。
実際には建築家の作品集ですが、大判・上製本で派手に豪華にするのではなく、著者も編集者も僕も、「建築系学生さんも含めて、できるだけ多くの読者に手に取ってもらいたい」と言う認識が一致した書籍です。

他にジャケット(カバー)の「UV厚盛り加工」は書店での訴求を狙ったものですが、予算を抑えるためにオフセット印刷は黒1色のみにしたことも付け加えておきます。
つまり、造本・装幀ではデザイナーは効果ばかり主張するのではなく、予算管理まで相談し、経験値を活かして提案、相談することはとても重要な業務です。

『TOKYO 100 Apartments』は書籍の内容が一番ですが、販売では評判がよく、売れ行きが好調と伺っています。 

関連URL  https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784306085695