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昨年8月、産業工芸試験所木工科において青木恒太郎先生の指導によって高周波熱利用による成型合板の実習を行った。目的は成型合板の加工技術習得が主であった。 実習期間中、前半は高周波についての基礎知識と治具製作にあて、後半は成型接着と仕上げを行なった。 高周波熱利用による成型合板とは高周波電界の中へ電気絶縁物(木材)を置くと電気エネルギーの−部が電気絶縁物に吸収されて熱エネルギーに変換され電気損失を起す。この現象を加熱方法として木材の単板を積層接着して治具で圧締し成型接着することである。 特長としては、(1)接着時間が非常に短かくてすみ接着力が増加する。(2)急曲面やダブルカーブ(複合曲線)等の形状を前処理なしに成型出来る。(3)良質のものが量産できる。(4)治具の回転が早い。等である。 課題にスツールを選び成型合板のもっとも基本的な形を用い、座は急曲面を持たせ、脚にはダブルカーブを用いて耐久力のある形にした。次に実際の製作工程であるが、まず第一に成型合板には治具が必要であり治具の条件は、(1)圧締力に対して構造及び材質が耐えるとともに耐久性を持っていること。(2)形状寸度は正確であること。(3)被加工材の寸法の変化に順応性を持っていること。(4)高周波利用の熱に対して伸縮やくるいの起きないこと。(5)作業が容易であること。等があり、治具形式には固体治具(金属製・木製)と軟体治具(鉄板・銅板・ゴム等)がある。 今回の実習では木製(カバ材)雌雄固体形式・水平圧締をとった。木材を使周する場合は堅く徴密な材種であるとともに充分乾燥した薄板を積層接着して、圧力・熱・水分等の影響によって変形のおきない構造をとって製作することが大切であり、また成型品の厚み(単板の枚数)と捨板(成型品の汚損防止及び接着剤・木材の水分吸収体)及び電極(銅綱)の厚みを計算して治具図面を描き,それに従って切削を行う。 |
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座部治具 | ||
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完成品 | ||
座部治具 |
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