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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

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桑沢デザイン研究所教員研修会レポート2012

■立方体の二等分割立方体を同じ形で2つに分ける課題です。まず、立方体を目で見える外側の部分だけでなく、内側の空間も合わせて立体的に理解することが大切です。また、多くのアイデアを出すには感覚だけで考えるのではなく、分割の法則を見つけ出すことが大切です。スケッチやモデルをつくりながら法則を見つけ出し、それを応用することで複雑な形や単純でも意外な形など、さまざまな形を生み出すことができます。こうして生まれたアイデアを図に描き、正確に紙を切り、組み立てることで、作品が完成します。指導教員:小関潤、伊藤邦彦、野村太郎■ハンドスカルプチャー木のかたまりをノコギリやノミ、ナイフ、ヤスリを使って「手になじむ形」にけずっていきます。普段、私たちは目で見ることによって形の良し悪しを判断しています。見た目の良さでなく、手の感覚だけで形を確かめ、判断しながら少しずつけずっていくことによって、予想外の美しい形や個性豊かな作品が生み出されます。手で形をさわることで、にぎる、なでる、つまむなど人の手の動きや機能を学ぶことができます。また、太さや厚さ、曲面、ふくらみやへこみ、穴などの形の性質を理解することができます。また、機械ではなく、手を使ってつくることで、素材の性質や加工の技術の基礎を学ぶことができます。このような「ものづくり」の体験はデザインやアートを目指す学生にとって大切な経験となります。指導教員:小関潤、伊藤邦彦、野村太郎力と形■曲げによる造形プラスチックの仲間であるアクリルは、熱を加えることによってやわらかくなります。この性質を利用してアクリルの三角定規を曲げたり、折ったりすることで立体作品をつくります。また、三角定規はまっすぐで、平らで、バランスの良い角度(直角二等辺三角形:45°45°90°、直角三角形:30°60°90°)をもち、完成された美しさがあります。その美しさを「こわす」ことから新しい形を生み出します。見なれた三角定規が作品に変化している意外さや、硬いガラスのような素材がグニャリと曲がっている不思議さがこの作品の魅力です。また、アクリルの高い透明度や光の反射などが作品に思いがけない変化をもたらします。指導教員:小関潤■力と形カサやテント、東京ドームはやわらかな布を引っぱったり、空気でふくらませたりするなど、「力」を加えることで形を安定させています。このしくみを「膜構造(まくこうぞう)」といいます。この課題では、このような力と形の関係を学びます。立方体の箱の中でしわのよった布をワイヤーで引っぱって「力」を加えていくと少しずつしわが消えていきます。しわが完全になくなり、布の伸び縮みと与えた「力」がつり合うことで形が安定すると、なめらかにつながった美しい曲面が生み出されます。つり橋や東京タワーに見られる美しい曲線も、このような「力」のつり合いから生み出された形です。指導教員:伊藤邦彦、小関潤制作過程■棒による造形服の生地や包装紙の規則正しい連続した模様に、私たちは美しさや楽しさを感じます。そのような連続の効果を棒材によって学びます。まず、10本位の棒を使ってつくることができる形やその連続の法則を探ります。それをスケッチ、そして作品へと応用していきます。棒の特徴は「長さ」と「方向」です。その長さや角度を規則にしたがって変化させながら連続させることで、心地よいリズム感や動き、時間の流れを表現することができます。また、美しい面や重さを感じさせるかたまりを表現したり、また、棒を組み合わせて三角形などの単位をつくり、それを連続させることで知的で精巧なイメージをもつ立体をつくることもできます。指導教員:小関潤、伊藤邦彦、野村太郎ハンドスカルプチャー曲げによる造形69