ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

材の寸法などに対する基準の全国的な統一としてあつかわれており、標準は「品種とか種別の標準」と言われているようにヴァリエイションの限定の結果残ったもの(「標準型」)、あるいは模範という広い意味でつかわれている。この区別は、懇談会をとおして問題とされていた「何は規格化すべきか、なには規格化する必要がないということを最初に決める必要がある」ということに通じる。この問題については、藏田周忠が「造形意識をむしろなくしたものを拵えて…」と「造形」と「規格(化)」の対立の図式を提示している。次に、『工藝ニュース』の記事から、事務用家具のJISが何を定め、その内容がデザインという観点からどのようにあつかわれていたのかをみてみる。所での研究が参考にされたことが示されている11。「JIS Z 5301」関連の記事の中で特に大きく取り上げられたのは、JIS制定を機会に開催された「新作事務用家具の展示会」についてである12。藏田周忠はこの展示会の評と「JIS Z 5301」の解説をおこなっている13。藏田の展示会評については後述することとし、まずは「JIS Z 5301」の内容を簡単にまとめておきたい。この規格内では「種類」および「寸法」、「材料」、「構造」(試験方法含む)が規定されている。机の種類は7種で、その種類と寸法(幅(間口)×奥行き×高さ(単位㎜))は、「机両袖A」(1460×850×740、袖幅365)、「机両袖B」(1460×730×2. JISの制定と『工藝ニュース』での反応2-1 1951年制定「JIS Z 5301事務用家具(机・卓子・いす)」上の懇談会で言われていた事務用家具の国家規格は、1949年(昭和24年)6月に制定された工業標準化法に基づいて決定される「JIS」で実現されることとなり、木製事務用家具を対象とした「JIS Z5301事務用家具(机・卓子・いす)」10が1951年(昭和26年)に制定された【図1】。「JIS Z 5301」に携わった専門委員会の委員会長には藏田周忠、委員には大学教員、家具業者組合の代表者や、工芸指導所で家具研究に従事した寺坂毅、西川友武、剣持勇なども名を連ねた。公示直後から『工藝ニュース』では「JIS Z 5301」関連の記事が掲載され、工芸指導図1「JIS Z 5301」(1951年)より19