ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2013

は、規格あるいは標準化の意味が異なるからである。こうした、同一概念の意味の偏差を通時的に検証することが、本研究が掲げるデザインの言説史構築の内実である。それは、ある概念すなわちテクストを軸にして、軸をとりまく歴史的情況すなわちコンテクストを浮き彫りにする作業と言えるであろう。その作業は、現在というこれもまた一つの歴史的情況をとらえることに通じる。とすれば、デザインの言説史からわれわれは、現在においてどういうデザイン実践がありえ、またあるべきかを考えるに際して、いくらかの示唆を得ることができるはずである。そういった示唆を得るためには、個々の事象や概念に関する一次資料をヴァイアスなく収集し分析することが有効だと考えられる。本研究のような言説史的なデザイン史研究を通じて、実際の資料調査などを授業でもとりあげてみたい。1『工藝ニュース』は、1932年(昭和7年)に商工省国立工芸指導所の機関誌として創刊され、1974年(昭和49年)の廃刊まで国内外の工芸、デザインの情報を伝えたデザイン史研究にとって重要な資料である。2宮本惇『工業標準化法の解説』工業新聞社出版局、1949年、p.583商品標準の内容を知るための資料としては1947年(昭和22年)に刊行された『商品標準化委員会決定:家具規格集』(財団法人日本規格協会)がある。4「戦災後一年間の記録」『工藝ニュース』14巻1号、高山書院、1946年、p.35工業技術院産業工藝試験所編『産業工藝試験所三十年史』産業工藝試験所30周年記念事業協賛会、1960年、「JIS」より6工芸指導所設計部「事務用家具の分類」『工藝ニュース』16巻3号、技術資料刊行会、1948年、pp.14-167「商品標準化」『工藝ニュース』14巻2号、技術資料刊行会、1946年、p.258「家具に関する懇談会―規格を作る為の前提として―」『建築雑誌』vol.61 no.726-727、建築学会、1946年12月、pp.7-14、および、「家具に関する懇談会―規格を作る為の前提として―(つゞき)」『建築雑誌』vol.62 no.730-731、建築学会、1947年3月、pp.8-129鈴木久蔵『産業合理化口座第2巻規格統一及び単純化』日東社、1930年、など10「JIS Z 5301事務用家具(机・卓子・いす)」(1951)、日本規格協会11藏田周忠「事務用家具のJIS作品」『工藝ニュース』20巻4号、丸善出版株式会社、1952年、p.2912「新作事務用家具」『工藝ニュース』20巻4号、丸善出版株式会社、1952年13藏田周忠「事務用家具のJIS作品」『工藝ニュース』20巻4号、丸善出版株式会社、1952年、pp.27-2914工藝指導所設計課「インダストリアル・デザイン」『工藝ニュース』18巻5号、丸善出版株式会社、1950年、pp.17-2015北田聖子「戦後の事務用家具標準化の出発―「JIS Z 5301事務用家具(机・卓子・いす)」と「JIS S 1022鋼鉄事務用家具」―」(『デザイン理論』55号、意匠学会、2009年、pp.21-35)および「事務用家具の標準化―JISとファイリング・システム」(「推薦論文」日本インテリア学会関西支部webサイト、http://www.jasis-kansai.jp/ronbun/suisen.html、2010年1月掲載)16「学校用家具のJISとそのデザイン」『工藝ニュース』vol.35、丸善出版株式会社、1968年、pp.52-5817小野二郎「事務用家具JIS改訂の意図するもの」『工藝ニュース』vol.36、丸善出版株式会社、1968年、pp.27-3223