ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

そしてそれは、単なる棒状のものが、いつしかムシに見えてきた瞬間であった。一見、お盆を飾る精霊馬(しょうりょううま)のようでもあった(fig:19)。またその時、以下のようなコンセプト文ができあがった。『スギムシは、杉でできた愛嬌のある巨大なムシである。使用する人が両端の頭を自由に回転させることで、単なるベンチからムシへと変形可能である。駅前に設置されるエレメントは、常に人が使用しているとは限らない。スギムシが溢れた駅前は、人が居なくともムシが溢れた賑やかな場所となり、駅前を更に活性化するであろう。そして、スギムシは、人?ムシ?山の繋がりを感じさせるエレメントになるであろう。』(fig:17)作者によるスケッチ02(fig:18)初期のスタディ模型技術的な問題デザインの方向性は決まるものの、ランダムな長さと角度で刺されたできるだけ細い柱で、如何に150mm角の座面を安定させるかという問題がまず浮かび上がった。全体の大きさのバランスからして、直径30mmの丸柱で支えたいという思いがあった。杉の集成材(丸棒)では強度的に問題があり、中に鉄パイプ又は鉄の無垢の棒が必要になると予測した。すべてを杉で制作したいという思いもあったが、あまり見えない部分であっても、鉄という全く違う二次部材が影で支えるよりは、他の樹種の集成材を使用することを選んだ。そして何よりも、どのようにして両端を回転させるかという問題の解決には苦心した。色々と検討した結果、まず考えついたのが、回転盤を使用する方法であった(fig:20)。この回転盤は、本来、盤に対して垂直に掛かる荷重を想定しているため、今回のような斜め方向に掛かる荷重に対しては、その耐荷重は未知数で何の保証もなく、実際に試作品を(fig:19)精霊馬(fig:20)回転盤66