ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

作って検証するしかなかった(fig:21)。ある程度耐えられることが分かりつつも、杉という材質の柔らかさの特性上、回転盤を留めているビスの抜けが心配であった。また、回転盤が外から見えてしまうという欠点も解決困難であった。そして次に考えたのが、ワイヤーロープを使って回転させる方法であった(fig:22)。回転する両端は、ただ回転して様々な形に変形するだけでなく、回転した様々な形においても、人が座れるものでなければいけない。またそれは、個人が所有するものでなく、公共空間におかれるものを想定していたので、不特定多数の者が、勝手気ままに回転して使用することを想定しなければならない。そのための強度を確保する必要があった。様々な状況を想定しながら、ワイヤーロープの耐荷重を計算し、詳細を詰めていった(fig:23)。(fig:21)回転盤による試作品(fig:22)ワイヤーロープによる細部失敗の連続が常識をひっくり返すワイヤーロープでの技術的解決を信じ進めていたものの、実際に試作品を作る中で、様々な技術的問題点に直面し、回転させる方法を一から再考する必要が出てきたのであった。模型の制作時では、縮尺: 1/30のものと1/10のものを制作していた。そしてその二つは、大きさの特性上、磁石を木材に巧みに埋め込んで制作し回転させていた。であるから、磁石は外から全く見えることなく、奇麗に収まっていた(fig:24)。それは模型であるからこそできることだとばかり思っていた。他の技術者にも相談しながら、考えられるありとあらゆる方法を検討したがうまく行かず、最後は模型がそのまま大きくなればよいのに、と馬鹿なことを思うしかなかった。そして解決法はまさにそこにあり、そこにしかなかったのであった。(fig:23)ワイヤーロープによる細部(fig:24)模型の回転部分67