ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

馬鹿馬鹿しいことほど真剣にネオジム磁石というものがある。Nd(ネオジム/ネオジウム)・Fe(鉄)・B(ボロン)を主成分としており、現在ある中で最も強力な磁石と言われ、普通に市販されている。今回使用した磁石は、わずか直径10cm、厚さ3cmのものでも、耐荷重が100kgを超えるものも普通に存在する(fig:25)。よく考えてみれば、リニアモーターカーは磁石を利用して、あの巨大な車体を浮かせている。それを考えれば、人間数人を磁石が支えることなど、現在の技術では簡単なことでもあった。しかし、身体に一番近い家具などエレメント・デザインと言えど、実物と模型との間に一線を引き、模型は模型でしかない、又は模型の世界は模型の世界でしか成立しないと高を括っていた自分がいた。今や3Dプリンターの発達で、模型と実物の境界は曖昧になりつつある時代を迎えている。そう言えば、私がオランダで学んだ建築家はいつも次のように言っていたのを思い出した。「馬鹿馬鹿しいことほど、大真面目にやるべきだ」と。もしかしたら、柔らかく繊細な杉を屋外の公共空間に設置し、更にそれを自由に変形可能なものにするというアイデア自体、非常に馬鹿馬鹿しいことなのかもしれない。だからこそ、真面目にやる価値もあるのであろう。(* fig:26、27はネジウム磁石を使用した原寸の試作品の様子。fig:28 ? 30は、最終的なデザインの模型と試作品の様子)(fig:25)ネジウム磁石(fig:26)ネジウム磁石での回転実験(fig:27)ネジウム磁石での回転実験68