ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2014

書は本当におもしろい。奥が深い。もっと早く始めるべきだったと思う。以上が「書のみち事始め」の五年目の記録である。最後に石川九楊氏の「書くということ」の中から九楊氏が門下生にあてて書いた文を引用したい。しじま夜の沈黙の中でひとり静かに墨を磨れかすかな反復音を確かめよそして墨頂と硯面とのかすかな手応を感じその場に身を委ねよ心細かったら今もどこかで同じように生きることの悲しみと苦しみとを織り込むように仕事をしている人が間違いなくいることを信じて墨を磨れその至福の時を知れ墨を磨ることから書は始まる墨が筆に替わり、硯が紙に替わった時に2014年2月11日(火)建国記念日、いったいなぜこの日が建国記念日になったのかわからないが、先日の雪が残る静かな日だ。何紹基風に書いてみた。2014年3月2日(日)卒展最終日。平成25年度の浅葉ゼミのメンバー。右に見えているのは全員リレーで完成させた、雁塔聖教序全臨。約800字の「?遂良」の文字をメンバーで分割して臨書した。書が生まれるのだからだから、墨を磨れ真夜中の毛筆が真夜中のインターネットよりもはるかに現在的で未来的であることを知れなぜなら、情報は過去の残骸にすぎないからあやふやな過去の残骸を世界中から拾い集めて掛算してみたところで過去の化物しか生まれやしない現実に鋭く筆ナイフを突き立てて現実をまさぐる「思索」に現在は宿る現在とは、「思索」、つまりは書くこと、読むこと、考えることの別名なのだ愚直な「思索」の積乗こそが事態を変え未来を招き入れるだから、だから墨を磨れ75