ブックタイトル桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

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桑沢デザイン研究所教員研修会研究レポート2015

(fig.19)旧広瀬家住宅(fig.20)旧広瀬家住宅(奥が「いどこ」)(fig.21)旧広瀬家住宅平面図(fig.22)江川家住宅の小屋組瀬家住宅(17c後半)(fig.19.20.21)がある。旧広瀬家住宅には土座(どじ、広瀬家の場合、「いどこ」の部分)と呼ばれる、地面に直にもみ殻や藁を敷き、その上にむしろなどを敷き詰めたもので、床板を張る以前の形式のものがある。この住宅の中心でもある土座を囲むように、建物全体のまさに中心に四本の柱が立っていることが分かる。また、「四つ建て」と類似した形式に、関口博士が指摘する「四天柱構造」というものがあり、その現存例として、静岡県田方郡の江川家住宅(江戸時代前期)(fig.22.23)、長野県小県郡の春原家住宅(江戸中期)(fig.24.25)、石川県珠洲市の黒丸家住宅(17世紀後半)(fig.26)がある。春原家住宅の平面を見ると、土間空間の中心にきれいに四本柱が建っているのが分かる。また、現在の「ちゃのま」として残っている板の間も、解体修理の際の調査によると、床が張られていなかった土座のような時期があったとされ、旧広瀬家住宅に非常に近い。(fig.23)江川家住宅60