ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

48新たな条件での試作1 ── S25 号── 10 号帆布を木枠に張り、基底材候補A と同じものを2 度塗り(一回目:ゴムへら、二回目:ローラーと刷毛)した。描画には「フタロターコイズ」を詰めたマーカー容器15mm を使用した。線の強さを均一にすることは難しかったが、従来の培相と似た見え方をおおよそ実現できた[図F]。新たな条件での試作2── S100 号── S120 号(1620×1620mm)は従来のサイズ(300×300mm)と比べて30 倍程度の面積となり、「相」の定着という目的は従来と同じでも、実際の描画は全く別物となる。まずは基底材を塗布するため高さ900mm 長さ1700mm のウマを一組制作し、次いで安定した描画のため簡易なイーゼルを壁面に設置した。限られた作業空間で大型の作品を制作するならば、こうした下準備をしっかりとおこなうことが肝要である。 テストで安定感のあった基底材候補C をベースとして新たに調合し直した基底材(配合比:クリアジェッソL = 40%、モデリングペースト・ライト= 25%、ファイバーペースト= 30%、ジェッソL=5%)を二度塗りし、粗目の基底材を作ることとした。塗布にあたっては、最初にゴムへらを使って薄めに塗り広げ、乾燥を待ってからローラーで厚めに塗り重ね、これが乾燥する前に水を含ませた豚毛の刷毛と羊毛の刷毛でテクスチャーを調整した。 描画には「ウルトラマリンブルー」を詰めたマーカー容器15mm を使用した。これだけ広い画面できちんと見える線を引くめには、最も太い線が引けるエッジを使い、インクフローが不足しないように非常にゆっくりとマーカーを動かす必要があった。結果として「ラインテープ」で引いたようなぎこちない線となったが、それも面白い表現効果だと感じた[図G]。図F?