ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.44 2016

72(出典 株式会社FIOウェブサイトより)[プログラム開発・制作]Spedagi_TOKYO 本田圭吾 岩瀬大地東京造形大学 サステナブルプロジェクトB 授業[監修]Spedagi_JAPAN Spedagi株式会社オープンハウス[協力・協賛]ごえん分校株式会社森未来 クリエイティブディレクター 金久保誠氏秋川木材協同組合 事務局長 浅野純平氏東京裏山ベース 代表 神野賢二氏株式会社FIO ユギムラ牧場 代表取締役社長 船木翔平氏■「東京× 農業」 八王子堀之内で多摩産の野菜を知る。 八王子堀之内、多摩丘陵の緑と住宅地の境の谷にNPO 法人YUGI・農業法人株式会社FIO が耕す農地ユギムラ牧場があります。高度成長期の1960年代の人口流入の解決策として持ち上がった多摩ニュータウン建設計画に反対し、宅地造成の阻止に成功した堀之内寺沢集落。集落はその後も活動を続けて東京都で二例目の里山保全地域に指定されました。近年、全国の里山では人手が足りず管理が行き届かない竹林などが田畑を侵食する竹害が目立ち、耕作放棄が増えつつあります。堀之内寺沢では、地域住民が自主管理する堀之内寺沢里山公園を中心にたくさんの里山ボランティア団体が地域活動を支えています。そこに誕生したのがNPO 法人YUGI・農業法人株式会社FIO です。平成の農地改革と言われる2009 年改正農地法によって農地制度の基本は「所有」から「利用」に転換し、これを機に東京都内でも非農家出身者が職業として農業を始める新規就農者が初めて誕生しました。農業法人株式会社FIO の代表取締役である船木氏もその一人で、東京で五人目、八王子初の新規就農者です。 「こどもといっしょに東京をつくる 東京× 農業」のプログラムはこの株式会社FIO の協力のもとユギムラ牧場での開催を計画しています。バンブーバイクの組み立て、多摩産野菜の収穫、じぶんで作るランチをとおして東京の農業に触れる美味しい体験プログラムです。4. これから Spedagi_TOKYO がサステナブルデザインワークショップに子ども向けのランバイク(バンブーキッズバイク)を用いるのには、理由があります。日本においては、地方と都市共通の課題の一つが子供を育てやすい社会にすることだと考えているからです。都市部の小さな子どものいるファミリー層に向けたワークショップを開発し、東京の農村が持つ魅力や資源を活用することで都市部と農村の交流を促進させ、そこから「ものづくり」や「食」の地産地消による持続可能な地域づくりにつながることを願っています。最小単位の乗り物である自転車と子どもたちが、住民や地域の垣根を超えて新しい交流の種まきになることを期待して、Spedagi_TOKYOではバンブーバイクを活用して地域のリソースに触れる体験ワークショップを各地で企画し開催していく予定です。 バンブーキッズバイクを都市における地方地域への架け橋として両者連携の可能性を探り、地方地域の再生に触れる機会を創っていきます。