ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

p.11「桑沢デザイン研究所の紹介文」訳:pp.12?13「川畑明日佳先生への質問」訳:東京の桑沢デザイン研究所はテキスタイル及びファッションデザイナーの桑沢洋子によって1954年に設立されました。彼女が考案したカリキュラムは広く言えばバウハウスの教育的概念と、1932年に川喜田煉七郎によって創設された建築・美術・工芸学校の「新建築工芸学院」の教育方法に基づいていました。新建築工芸学院は、最初の「日本のバウハウス」と呼ばれ、少なくとも3名の日本人バウハウス生?水谷武彦、山脇巌・山脇道子夫妻?が日本で初めて教鞭をとった学校でした。1)桑沢デザイン研究所にとってバウハウスデッサウ訪問は今回が初めてではありませんでしたね。前回の訪問時にはヨゼフ・アルバースの基礎課程での素材の授業が重要な役割を果たしたと思いますが、今回はどんなトピックが重要だったでしょうか?前回は、紙を素材として形状の可能性を探ったのですが、今回は色と形の関係性を学生と一緒に考えました。1954年、ウォルター・グロピウスが日本へ旅行した際に新しく創設された桑沢デザイン研究所(KDS)を訪問し、芳名帳にこう記しました。「ここで私は本物のバウハウス精神を見つけた。」2)カンディンスキーの形と色の授業はバウハウスのクラスにとって不可欠なものでしたが、21世紀のデザインプロセスにも適応した授業だと思いますか?そう思います。色と形はアナログの時代にはいつもデザインの実践の場で核となるものでしたし、デジタルの時代でもそれは変わらないです。3)今日のデザインは主にコンピューター上の2Dと3Dのドローイングとモデリングに頼っています。伝統的な素材の授業を桑沢デザイン研究所では未だにカリキュラムに組み込んでいるのでしょうか?基礎課程では、とにかく手でデザインするように教えています。その典型的な例として「ハンドスカルプチャー」という課題があります。学生は木の塊から自分の手にしっくりくる形を削り出さなくてはなりません。そのためには素材を目ではなく、自分の手で探って形を探し出す必要があります。p.139