ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

※参考例:Tastemadeよりが目的である。第三者に伝達しやすい「言葉」をある意味極力入れないから、絵の世界観、物語、シーン、状況、モチーフ、ポーズ、表情、絵の質感、絵のタッチ、などなど全てにわたって気を配り、一つ世界観にキチンと着地するまでを計画立てて表現、定着する考えと技術が必要である。このように具体的に要素を洗い出してみるだけでも一つの学問といえるし、全ての技術を習得するには難解な分野とも言える。1年生の時の基礎では、上記をバラして一つひとつの要素を限定的に学んでいくわけだが2年生になると、これら全てを関連づけてひとつの文脈に合わせて融合していく段階に入る。重要なのは、この勉強の構造をそもそも理解する必要があるわけなので、この計画性をまず身につけなければ、この先のデザイン道の探求者にはなりにくい。勉強するスタンスを決めて探求する。その道ができた上で学ぶことを掘り下げていくのだ。アングルに注目する訳とは話は戻るがビジュアルには、「説明的ビジュアル」と「イメージビジュアル」があると書いた。そして集中的に課題として「イメージビジュアル」を具体的に勉強し共に成長してきた。ただ、最近とても興味深いビジュアルの見せ方を頻繁に見かける。それは「真俯瞰アングル」である。世の中を席巻している「instagram」にせよ、1分で料理の完成まで見せる「Tastemade」にせよ、または電化製品の使用方法のムービーにせよ、とにかく「真俯瞰アングル」はよく見かける。これはこれまで「説明的に伝えたい」(分かりやすく誤解のない正確な情報を届けたい)会社や商品もそれだけでは味気なく、やはりいいイメージを纏って人々に伝えたいという本来の気持ちの表れではないだろうか。この仮説にはかなり信憑性はあると感じている。「真俯瞰アングル」での恩恵は情報発信者だけでなく、絵の制作側にもある。それは1.「モチーフは基本そのものだけでよい」、2.「モチーフ以外に画角的に入る面積が少ないので、余計な物を見せなくて良い」(他の小物を用意する必要があまりない19