ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

てカウンセリングや精神論などで完全に解決するものではないだろう。世の中に数多ある気分障害の病院は、昔は圧倒的に「精神科」や「精神病院」という言い方をされていた。最近では多くの病院が「心療内科」を名乗るようになって来たが、それでも私は納得できない。気分障害は精神でも心でもないのではないか。この名称がどれだけの偏見や先入観を生んでいるか分からない。しかし、この症状をうまく表現できる言葉も見つからない。気分障書のクリエイティブヘの影響●うつ病性障害(大うつ病性障害):様々な生活上のストレスが引き金(誘因)となったり幼少期のトラウマなどから誘発され現在このタイプの気分障害者が増えている。最もポピュラーと言える気分障害で、抑うつ気分や物事に対する関心や興味が低下する症状の他に、体重の現象、疲労感、不眠などの症状も現れてくる。しかしこの奥深い苦しい状態の中で、この症状を生かした不可解で魅力的なタブローを制作する作家も多くいる。●双極性障害:以前は「躁鬱病」と一括りにされていたが、その後の研究で幾つかに分類された。非常に元気が良くなって何でもできると思い込む躁の状態と、抑うつ状態の2つの極端な気分の波が現れるのが特徴である。抑うつ状態の時の症状自体は鬱病と違わないので、鬱病と診断されたり多くの人に間違われることが多い。しかしこれもうつ病性障害と同じく、深い抑うつ状態の時に作曲や絵画で新しい制作の発見があったり、躁状態で予想もつかない作品を作ることもある。?双極性障害I型:躁状態とうつ状態が両方はっきりと現れる典型的な躁鬱病である。躁状態もかなりのハイテンションで周囲を驚かせることも多い。しかしこの高い躁状態の時にオリジナリティーがあり凄みさえ感じる作品が生まれる。双極性障害抑うつエピソード双極I型躁状態と抑うつ状態の両方が出現双極II型抑うつ状態と軽い躁状態の両方が出現ラピッドサイクラー(急速交代型)1年間に4回以上の再発26