ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

TOYOTA AUTOMOBILE MUSEUMートヨタ博物館愛知県長久手市ー藤原俊樹|スペースデザイン担当Toshiki Fujiwara博物館外観はじめに「20世紀は人間が自動車に恋をした時代」といわれる。トヨタ博物館は、その100年間の自動車文明の業績を、世界中から収集、保存し、体系的に観覧できるよう世界レベルの博物館をめざして1989年に開館した。当時、設計事務所所員として、展示企画構成・映像演出を担当した私にとって、数あるプロジェクトの中でも、最もハードなひとつとして記憶に残っている。トヨタ自動車といえば、日本最大の会社である。その博物館のプロジェクトに参加できたことは、大きなやりがいと共にプレッシャーも強かった。そして愛知県出身の私にとってはトヨタが地元企業ということもあり、何か因縁を感じたことも事実である。1999年に新館がオープンし、人の暮らしと生活文化との関連で捉えた展示が加わった。現在では、1880年代から2010年代に生産された国内外で生産された約520台が所蔵され、その中から140台が展示されている。年間の入場者数は25万人。今年2017年に、大規模な改装が実施され、従来の「欧米」「日本」に区分けした展示から、すべての展示車が「時代順」に展示替えされた。この大リニューアルを実際に見学し、開館時との比較をレポートすることが今回の研究目的であったのだが、スケジュール調整が難しかったことと体調不良も重なり、現地に足を運ぶことが出来ず、現況のトヨタ博物館を伝えることができなかったことは残念である。開館時を主としたレポートになることをお詫びしたい。博物館展示構成ゆったりとした楕円形の建築内部に、一階は、ホール、レストラン、ショップ、資料室が配置される。吹き抜けになっている中央部から階段やエスカレー42