ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

図B図Cスの薄めすぎに注意しなければならない。そのため、水による希釈の必要がない(あるいは水で希釈してはならない)と明記されている製品を使用することが望ましい。3.2塗布方法の選択S25号(803×803mm)キャンパスに、ニス専用のナイロン刷毛、無泡タイプのペイントローラー、スプレーガンを使って試験塗布をおこない、透明度、塗りムラ、気泡、筆跡などを確認した。試験の結果は以下の通りである。(図C)(1)刷毛:性能が高い刷毛であれば、この程度のサイズまでなら問題なく塗布できる。ただし100号となると全体をムラなく均一に塗るのは難しい。(2)ペイントローラー:ニスの粘度が低すぎて画面上で滑ってしまうので、この用途には適さない。(3)スプレーガン:絶えず一定量のニスが供給されるため最もムラなく塗布できた。作業時間も短く大型の作品にも対応できる。(1)空中に塵が舞わないように、風のない日を選び、作業をする場所の周辺を十分な広さで養生し、さらにそのまわりに水をまいておく。(2)直射日光下で白い物体にニス塗りする際、塗面がまぶしく塗れている部分と塗れていない部分の判別が難しい。したがって曇りの日を選ぶか、日差しを防ぐ工夫をする。(3)つや消し剤が沈殿するとツヤにムラが出る。これを防ぐため、塗布の直前にペイントミキサーなどを利用して十分に攪拌する。(4)吹きすぎによるムラや垂れを防止するため、低圧コンプレッサー内蔵型のスプレーガンを使用する。通常のコンプレッサーを使用する際には、空気圧を低めに設定する。(5)イーゼルを自作して画面を約45度に傾けて固定し、画面から50cmほど距離とって水平方向に吹く。画面より広い範囲を霧で包むようなイメージで、一定の速度でスプレーガンを動かしつづける。(図D)以上の留意を重ねた結果、ニスの塗布は成功裏に完了し。ほぼイメージ通りの成果が得られた。3.3スプレーガンによる塗布おわりに大型作品へのニスの吹きつけは、塗装専用の室内ないし野外での作業が前提となる。今回は野外での塗布を念頭に留意点をまとめる。額縁の消失に〈制度批判〉を読み取るのは難しくないだろう。前述の通り、財力にまかせて集められた宝物から個人の創造性の発露とみなせるものを選り分け、それらを学術的な観点から体系化して公開70