ブックタイトル桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

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概要

桑沢デザイン研究所 教員研修会 研究レポート No.45 2017

パターンメーキングの研究辺見小百合|ファッションデザイン担当Sayuri Henmi今回は日本大学理工学部伊豆原月絵教授の共同研究に参加した件をレポートにまとめました。研究内容等の詳細は以下の通りです。研究課題ロココ時代のフランス宮廷衣装の復元的研究─欧州種の養蚕からドレス制作まで─研究課題情報課題日本の研究事業科学研究費助成事業24520194JSPS独立行政法人日本学術振興会本研究は、18世紀のロココ時代のフランス宮廷衣裳の美意識を明らかにすることを目的とし、往事の欧州の蚕種を調査研究し、遺伝資源として保存されていた蚕種を飼育した。復元的研究では、オリジナルドレスのパターン、サイズ、縫製技法を再現するだけでなく、織物の風合いが、ドレスのフォルムに関係することから、衣裳の生地の風合いや美意識に拘り、蚕品種、製糸、染色、製織などの復元的研究を行った。1.生地についての説明今回の研究対象の生地は非常に貴重でこの生地自体が研究の一つである。蚕自体も世界中の多数ある品種の中から選抜された品種であり、欧州フランス種「セヴェンヌ白」という品種である。その蚕を6万粒養蚕し、繭から操糸された。そして、西陣の伝統工芸士に摺り込み技法による絣染を依頼し、天然染料で染色を行った。その糸で織り上げた先生も西陣織りの伝統工芸士である。通常、着物に仕上げる反物を織る場合、生地幅は約37.5cmでスーパーキングサイズと呼ばれる幅も48cmである。今回の生地は、ドレス用に特別90cm幅で枠を作成し織り上げた貴重な布である。上記の伊豆原教授の研究の中で私が依頼された研究内容は、現行蚕品種との比較、オリジナルドレスのパターン、サイズ、ドレスのフォルムに関してと縫製についての研究である。蚕「セヴェンヌ白」72