スペースデザインSpace Design

藤原敬介ゼミ

藤原敬介
Interior Designer

1968年東京生まれ。1992年武蔵野美術大学を卒業後、内田繁率いるスタジオ80に勤務。2001年同社退社後、ロンアラッドアソシエイツにてインターン。同年藤原敬介デザイン事務所設立。プリーツプリーズイッセイミヤケの日本、フランス、シンガポール、タイ、韓国、台湾などの世界展開のショップデザイン、また銀座マロニエゲートの空間デザインなどを手掛ける。ミラノサローネ、デザインマイアミ、コルトレイク国際インテリアビエンナーレなどで家具デザインを発表。2010年フジテレビ月9「月の恋人」のデザイン監修。2011年度より、首都大学東京で教鞭を執る。日本商環境設計家協会(JCD)優秀賞、モスクワ建築インテリア国際フェスティバルインテリア部門優秀賞、Asia Pacific Interior Design Awards 2011/‘Shoppingspace’銅賞など受賞歴多数。

[担当教員名]
藤原 敬介
 
藤原 俊樹
桑沢デザイン研究所専任教員
[共通テーマ]

かけがえのないもの

産業に寄り添いながら存在するデザインは、市場主義の枠組みの中で、無残にも葬りさられることがある。耐久性があったとしても、デザインの質が評価されていたとしても、使っている人たちの想い入れのあるものだったとしても、非情にも容赦はない。デザインをしていると、綺麗事だけでは解決できない現実に直面する。我々にとってかけがえのないものは果たして何なのか?そのようなあたり前の問いかけに向き合ってみた。

2013年度作品紹介

紋 1 紋 2
みえること:中澤 氷名子

毎日やってくる"朝"が今日1番の幸せの時であるよう昇ってくる太陽の光を柔らかい光に変え、キラキラと輝く景色ぼんやりと透きとおる向こう側と共に心地の良い朝を演出する。4mmの細さにカットした塩化ビニールシートで作られた"みえること"は、編み込む事でさまざまな模様の光を生み出し夢幻泡影な空間を作り出す。近づかなければ見えない天より続く編み目は、目には見えない水の流れのように力強くからみ合っている。夢幻の中での力強さは、はっきりとしたヴィジョンをもって輝く光をかきわけながら不確かな向こう側の幸せの姿を映し出してくれるだろう。

みえること 1 みえること 2
紋:黄君傲

自然から見つけた調和と流れ「花紋」をコンセプトに作品を制作した。一瞬の自然の流れが記憶に残ることは少ないが、この作品の前でゆっくり世界を見て、美しい自然の花紋を見てほしい。半流体のシリコンボンドとブラックライトにより自然現像を創り出した。ボンドが固まる前に棒を使って自分の感覚のままに流れを作り、その痕跡により特有の花紋が生まれる。重複の自然風景がないように、一つ一つ違う花紋で自然の変化を表した。ブラックライトを点灯した瞬間、通常は見えない蛍光塗料の花紋が闇の中に輝く。明るい世界(白いシリコンボンドのテクスチャー)と暗い世界(ブラックライトにより浮かび上がる蛍光塗料)によって「表と裏」を表現している。