ファッションデザインFashion Design

眞田岳彦ゼミ

眞田岳彦
Clothing Designer/Artist

衣服を通じて多くの地域の人々とアート・デザインプロジェクトを開催し、伝統、芸術と人の豊かな暮らしのコミュニケーションの創出を行う。1962年東京都生まれ。画家であった父のもと年少より絵画を、そしてイッセイミヤケ社でデザインを学ぶ。その後、ロンドンに在住し造形を学び、彫刻家リチャード・ディーコンの助手を務め95年独立。以降、ロンドン、ニューヨーク、ベルギー、メゾンエルメス(東京)、森美術館ほか国内外で衣服の造形作品発表を行う。2004年から精神科医や臨床心理士とPTSD(心の外傷)の緩和を考察する衣服デザイン研究開発も行っている。現在、越後妻有トリエンナーレ 大地を包むアートプロジェクトディレクターや、せたがや文化財団生活工房未来繊維プロジェクトディレクター、企業のデザインディレクション等を勤める。眞田造形研究所代表。東北芸術工科大学客員教授、愛知県立芸術大学、武蔵野美術大学、桑沢デザイン研究所等の非常勤講師、眞田塾主宰、七月七日会主宰、また、著作「考える衣服」(スタイルノート)他。

[担当教員名]
眞田 彦岳
 
関 美来
染色作家
永井 俊平
衣服作家
中村 淑人
桑沢デザイン研究所専任教員
[共通テーマ]

生きるための衣服

デザインとアートの視点から、頭と手から生み出される、衣服、コスチュームやテキスタイルの造形デザインを学びます。前期には、衣服を通した心のヒーリングデザインをテーマに「テキスタイル・ケア」を学び、コンセプトから作品制作を学びます。後期は、卒業制作として、「生きるための衣服」をテーマに、各自が、現代の社会に生きる人たちに対し、社会問題の解決、または、幸福のためのデザインや造形とは、どのようなものかを考え、研究、調査をベースにしながら、アート・デザイン衣服やコスチューム制作を進め、最終発表は、インスタレーション、パフォーマンスなどを通して行います。

2013年度作品紹介

着れば都 1 着れば都 2
着れば都:國井 義明

着れば都とは、着ていくことにより住みやすい都と同様に、安心がうまれることである。
ホームレス
人は、家がなくなったときに何を所在として頼るのか、それはどんな環境にも慣れをうむしかないのだろう。究極の安心とは自分化、すなわち慣れるということだ。環境と自分が慣れていき、自然と馴染むことで 安心になっていく。服は、自分に馴染んでくると元の形をなくし、皮になる。自分が着やすいことで、自分化した人工の皮。環境と自分の間にある、この人工の皮が私となっていく。そこに安心感がうまれ、明日がみえる。慣れこそが着れば都である。

みえること 1 みえること 2
心音:劉 齢遠

意識とは「起きている状態にあること」または「自分の今ある状態や、周囲の状況などを正確に認識できている状態のこと」である。現在の私は過去の自分から未来の私を探している。自分自心の音を聞いて、自身のカタチを認識する。自分はなぜここにあるのかと、考えること自体が自分が存在する証明である。