9、ブラウス原型による実験
ブラウス原型を基礎とした実験であるが、現われた数値はワンピース・ドレスや、ジャケットにも応用できる。
4〜3.75の袖、4の袖山高で据えたものは幾分肩線に、かたさが感じられる。一般的には3.75を使用した方が適当である。図18は前後袖落度差を基本の5°に、とどめたので後背巾線位置に出るドレープ量が少ない。(写真8−3・4)したがって体にフィットするドレスやスーツに応用される。写真8−1は腕をおろした状態。写真8−2は袖の据りの状態を写した。以下の袖の比較写真はその繰り返えしである。
又23頁の普通袖と比較すると各袖の段階に於て同形の感覚量を見ることが出来る。
3.5の袖、運動、量感共にカジュアルなものに最適。但し長袖では幾分ラフな皺が表われる。図19での袖落度差5°は、用途により10°差でもよい。(写真9−1、2、3)
3の袖、袖の据りや、袖巾等がスポーティな感覚に限定されるので、図20の如く落度差を10°つけて、後の運動量を多く入れる。長袖はカフスをつけることによって型を整えることができる。(写真10−1、2、3)
2の袖、26頁図11のように袖山高が低くなれば袖落度が少くなるため、肩線上の開きが狭くなる。図21−2の如く、肩縫目線を省略することが出来る。乳癖も少い偏平なシルエットで、袖の前後にドレープが深く入る。
肩縫目無しのラグラン袖が、この袖理論によって容易に解決できるわけである。勿論コートにも応用できる。(写真11−1、2)
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図18 |
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図21-1 |
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図21-2 |
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