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2021.08.04江原梨沙子・大谷陽一郎 2人展「孤帆の遠影」

情報提供:大谷陽一郎 ( 夜間部 ビジュアルデザインコース 2015年度 卒業生 )

■展覧会ステートメント
孤帆の遠影
2006年にオープンしたMONTBLANC Ginza Flagshipは、アジア圏最大規模のMONTBLANCブティック、ひいては文化や芸術を愛す る者たちが羽を休めるコミュニケーションの場でもある。同店が位置する東京は、多くの人が行きかい、さまざまな文化、思想、歴史 が交差する場所だ。第4回目となる今回は、「アジアへのまなざし」をテーマに、気鋭のアーティストの作品を展示する。

江原は、東洋と⻄洋の両義的な視点から制作に取り組む。その作品は、ストラッポと呼ばれるフレスコ画の修復技法を用い、「制作、 破壊、修復」というプロセスを反復させる行為によって特徴づけられる。今回展示するのは、キジル石窟でのフィールドワークに着想を得た作品だ。この石窟は、宗教的背景を持つがゆえに幾度となく略奪と破壊を繰り返され、それでも今なおその姿を残している。伝統的な壁画表現が現代的なメディウムと交差することで、その土地が見てきた複雑な歴史が再構成され、鑑賞者の前に立ち現れる。

いっぽう大谷は、文字が持つ表現の幅を拡張することを試みる。今回発表する新作は、水面というユニバーサルな心象風景に出発し、 そこに映り込む景色の揺蕩いを表現した。作品を一見すると点描画のようにも見えるが、近づいてよく見れば、同音の「漢字」が重な り合って像を結んでいることがわかる。シンプルながら複層的な水面のイメージは、様々な情報を持つ「漢字」が出会い混ざり合う、 「器」としての役割を果たすだろう。

本展タイトル「孤帆(こはん)の遠影」は、唐代の詩人・李白の詩に由来する。この詩に描かれるのは、船に乗って大河へと旅立つ友 を送る日の美しい情景だ。アジアは、それぞれの地域に独自の文化を持ちながらも、急速な⻄洋化の中でいくつかの転換点を迎えてき た。アーティストたちは、⻄洋と東洋という単純な二項対立を抜け出し、地域に固有の文化を創造的なかたちで編み直す。複数のコン テクストが交じり合うこの場所から、大河のようなアジアの歴史へと帆を揚げてみよう。

- Curated by Yuki Saiki

開催期間  2021年07月30日~ 2021年10月29日

会場    モンブラン銀座本店 ショーウィンドウおよび店内2F・3F

会場住所  東京都中央区銀座7丁目9-11

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