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HOW TO PROCEED WITH JOB HUNTING

就職活動における分野別Q&A

「ブラック企業に当たりたくない」「行きたい会社がない」「そもそもデザイナーに向いているのか自信がない」……。
就活に向き合うとわき上がる疑問や不安に、各分野の先生方が答えてくださいました。
多くの学生の就職活動を支えてきた百戦錬磨の先生方のアドバイス。
普段は話す機会の少ない他分野の先生の回答も、いつもと違う気づきをもたらしてくれるかもしれません。

[ 職業選択 ]

Q1.卒業後はイラストレーター(フリーランス)として活動したいと思っています。どうすればいいですか?

VD
学生時代からSNSなどで自分の作品を積極的にアピールすることが重要。また、個人事業主として開業することになるので、卒業前から開業や税金についての勉強も必要になります。

PD
フリーランスとはフリーターではなく個人事業主であり経営者。所属する業界それぞれの商流や情報流・慣例などがあるので、希望の業界に所属して自身で体得していきましょう。

FD
アパレルメーカーのデザイナーとして就職し服の構造等を勉強した後、経験をもとにフリーのファッションイラストレーターになるケースも少なくないです。

Q2.卒業時は30歳(以上)です。 デザイナー職の年齢制限はありますか? 年齢を武器にするにはどうしたらいいですか?

VD
30代半ばくらいまでなら年齢に見合った実力や経験(簿記一級や中国語ができる、営業経験があるなど)があると武器になるでしょう。

PD
年齢を武器にするには、他者に勝る業務経験を今後のデザイン業務に生かせるかどうかでしょう。

SD
スペースデザインの分野では、夜間部で30歳を過ぎて新卒で就職している卒業生もいます(企業ではなく、個人事務所)。また海外のほうが、年齢を問わない傾向にあります。

FD
デザイナーといえども海外との取引もあれば、工場との生産スケジュールや縫製工賃などの交渉など、語学力や係数の知識も必要になります。また、医療系の仕事または勉強した学生は、経験を活かして医療系の制服等を扱っているアパレルメーカーに進むなど、経験が強みになります。

Q3.VDの学生ですがプロダクトデザインもやりたいとか、SDの学生だけどグラフィックもやりたい場合など、分野をまたいだ就職活動ではポートフォリオをどうしたらよいですか?

VD
レアなケースなので見せ方には工夫が必要。まずは担任に相談してください。分野をまたいでひとつにまとめるのが難しければ、別々にする方法も検討してみてください。

PD
個人の制作作品にそのような業務に関連する作品を加えておく必要があります。分野を専業としている企業に分野外から応募することも可能ですが、そこには専門分野で学んできたライバルがいることをお忘れなく。

SD
空間デザインの場合、空間内にある全てのものをデザイン提案できます。課題でそこまで要求されていなくても、率先してグラフィックまでデザインして、ポートフォリオに入れた方がいいです。他分野にも関心があることを作品を通して示していきましょう。

Q4.デザインだけをするデザイナーではなく、デザイン提案もできる営業職に興味がありますが、どうしたらよいですか?

VD
規模の大きくない会社なら業務が細分化されていないので、いろいろと経験できる可能性があります。

PD
経験と年齢を重ねていくとむしろそのように立ち回れないと、デザインの仕事を作ることができませんのでとても大切です。まずは希望の業界に所属して自身で体得していきましょう。

SD
デザイン課題を入れたポートフォリオを持って、営業職に応募すれば大丈夫です。営業でもデザインができる人の需要は多いです。

Q5.デザイナー職よりもディレクター職に興味があります。ディレクター職はどのような技術や素質が求められますか?

VD
コミュニケーション能力やデザインへの深い理解力が求められます。総合的にはデザイナーへの適格な要望や指示を出せるかどうかです。段階としては、まずはデザイナーとして確実に経験を積むことが重要です。似たような職種として「プロジェクトマネージャー」や「プロデューサー」もあります。

PD
仕事の流れやボリュームなど俯瞰して判断する力と、人員技術と資金の采配などのマネジメントの力などが必要です。

SD
プロジェクトを俯瞰して見られる力。プロジェクトに必要な人材を集められる人間関係、多様な人との繋がり、人脈。先を読む力。プロジェクトに参加するチームの構成員をまとめる調整能力などです。

FD
ファッションの世界ではディレクター的な役割をMD(マーチャンダイザー)が担っています。求められる能力は、市場リサーチで徹底的に分析する力、そこからブランドのコンセプトやシーズンテーマを決めてデザイナーに伝える力です。総合職としてアシスタントMDの求人もあり、最近はその職種で就職をするケースが多くみられます。

[ スタート、きっかけ ]

Q6.先生に相談するタイミングがわかりません。 いつどのようなタイミングで相談に行けばいいですか?

VD
まずはメールで相談してください。相談内容により学校での対面、またはオンラインでの相談になります。どう相談するか迷う場合も、まずは担任に連絡してください。

PD
まずその相談から始めましょう。いつでも相談しやすい関係を築いておくことがタイミングを逃さないポイントになるはずです。

SD
非常勤講師には、授業後すぐに声を掛けるのがベスト。専任教員の場合は、まずはクラス担任に相談してください。専任教員には相談内容と共にメールで連絡し、事前にアポイントメントを取るのがベスト。簡単な相談であれば、授業後すぐでもよいでしょう。

FD
後期の就職セミナーでアパレルの業態やさまざまな専門職の役割を知り、それを理解した上で担任と相談です。

Q7.自分に合うと思う企業、行きたいと思う企業が見つかりません。どうすればいいでしょうか?

VD
まずは桑沢の就職担当に相談してみましょう。オンラインの求人サイトもたくさんあるので、自分から広く積極的に探す事が重要。場合によってはデザイン以外の職や大学編入なども検討してみては。

PD
まずは消去法として合わないところ、興味のないところをはっきりさせて選択肢から外しましょう。それ以外の自身で受け入られそうな業界や業種(企業ではなく)から探ってみましょう。

SD
早い段階から、世の中にある色々なデザインにアンテナを張り、実物を数多く見ることで、自分がどのようなデザインをしたいか?好きなのか?を自己分析する必要があります。好きなデザインやデザイナーが見つかれば、その会社やそれに関連する会社がないか調べ、学生のうちに、インターンやオープンデスクなどで現場で研修しておくことをお勧めします。いろいろな事務所、会社で研修すると、自分に合ったところがわかるようになってきます。

FD
自分が好きなデザインやブランドを分析して、その会社や同じ傾向のブランドの詳細を調べます。3月の就職セミナーで質問をしてもよいですし、学校のキャリアカウンセラーに相談し、さらに担任に相談するのもよいです。

Q8.ブラック企業が怖くて就活できません。どのように会社を選べばよいですか?

PD
経営者や直属の上司・同僚など 業務であなたに直接関係するであろう人を可能な範囲でよく見ていきましょう。学生のうちに、インターンやオープンデスクといった研修を活用して、現場の様子を見たり、いろいろな先生に話を聞いてみましょう。

FD
新人採用の求人の多くは個人事務所よりも一般アパレルの業態がほとんどです。学校求人の場合は求人内容や労働条件もチェックしていますので、卒業生の早期退職も少なくこれまで大きなトラブルも聞きません。
厚生労働省がブラック企業について解説したホームページがあります。相談できる連絡先も記載されています。
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

 

[ ポートフォリオ ]

Q9.自分の作品に自信が持てません。デザイナーに向いているかどうかはどのように判断したらよいですか?

PD
教員やクラスメイトなど、他者のコメントや意見をよく聞きましょう。周りが評価していることこそあなたに求められる強みであることが多いです。

SD
自分がデザインを好きかどうか、それだけです。好きならば、どんな状況でもやっていけます。中途半端な好きでは、この世界でやっていけません。桑沢にいる時間は自分がデザインを好きになれるかを自問する時間です。好きになれなければ、デザイン以外で好きになれる仕事を探したほうがいいと思います。

FD
個人で判断してはダメです。特にファッションデザイナーはさまざまな人にとって必要な衣服を提案する仕事です。ファッショナブルなデザインが全てではなく、ワーキングウエアやユニフォームなど、それ以上に機能や着心地が求められる世界です。大切なのは、何をテーマにしてデザインを導き出したのか。お洒落なデザイン画よりもプロセスが大切です。

Q10.どの先生にポートフォリオを見てもらえばいいのかわかりません。まずは誰に相談すればいいのでしょうか?

VD
担任の先生に相談しましょう。

PD
教員に限らずクラスメイトでも職員でも、いつでも相談しやすい関係を築いておくことが大切です。

SD
まずは担任です。

FD
担任に相談していただければアドバイスします。また、授業の中で制作指導をしています。それまでは入学時点からの作品を整理しておいてください。プレゼンテーションでコメントされた箇所は、必ず手直しをしてブラッシュアップしてください。

Q11.夜間部1年生です。夏休みにインターンシップ(オープンデスク)に参加したいのですが、ソフトをあまり使いこなせないし、ポートフォリオに載せる作品数もありません。どのようにアピールしていけばいいでしょうか?

VD
この機会に苦手なことを自分で克服する意識を持ちましょう。課題以外に自主制作として作品をつくることをおすすめします。

SD
オープンデスクでは、特に高度な技術は必要ありません。SD分野であれば、普通の模型が作れれば採用してくれると思います。前期の住宅設計の授業で制作する模型をできるだけきれいに作って、ポートフォリオに入れれば問題ありません。もちろん、ソフトを使えるに越したことはないので、前期中に自分でフォトショップとイラストレーターは使えるようにしたほうがいいでしょう。

Q12.夜間部です。美大生や昼間部と比べると、作品数が少ないです。ポートフォリオはどのように準備していけばいいですか?

VD
コンペに応募したり、自主制作で作品を増やしましょう。また、課題内容を自分なりに拡張するのもよいでしょう。

PD
作品数の少なさを補うために、個人の活動や制作作品を入れたり、入学前の経験などを融合させたりして他者にない強みをアピールしてみましょう。

SD
まずは、学校の課題を全部ポートフォリオに入れられるように、しっかりこなすことが必要です。長期休暇などを利用して積極的にコンペに応募し、その作品も入れた方がよいです。

FD
就活で必要なことはポートフォリオの分量ではなく、エントリーした企業のブランドの特徴やショップのリサーチといった企業の研究です。それらにビジュアル資料を合わせ、レポートを作成しておくとよいです。また、デザイン画の課題が出されたら同じ課題を2枚以上提出して、作品数やレベルを上げる準備が必要です。

[ その他 ]

Q13.なぜインターンシップ(オープンデスク)に参加した方がいいのでしょうか?

VD
会社の雰囲気やデザインの現場の様子がわかるからです。ただ、VD分野ではインターンシップが就職につながるケースは少ないので、経験の機会と考えてください。

PD
実質的に一次選考と捉えている企業が多いからです。また参加することで、他校学生の就職活動状況や情報を得る機会にもなるでしょう。

SD
有名な事務所には、有名大学などの優秀な学生が集まってくるので、その人達と交流して情報交換ができますし、他大学のレベルを知ることができます。また、SD分野であれば、模型の作り方を学べます。大学でも同じですが、模型の作り方は学校では教えません。大学生も皆、オープンデスクに行って見よう見まねで覚えていくものです。

Q14.コミュニケーション能力が大事と言われますが、あまり気が利く性格ではありません。コミュニケーション能力がなくてもデザイナーになれますか?

VD
生来の性格と仕事は違うので、仕事では気が利くように努力が必要となります。グラフィックデザインより、ビジュアルコミュニケーションデザインという名称が使われる時代なので「コミュニケーション」は必須です。まずは大きな声で会話をするところからはじめましょう。

PD
デザイナーに限らず社会で自身の職能を活かしていくためには、発見力・回答力・解答力・応答力は高め続けなければならないでしょう。

SD
最低限のコミュニケーション能力は必要です。デザインはアートとは違うので、人に伝える方法を学ぶ必要があります。できるだけクラスメイトや先生と接し、コミュニケーション能力を少しでも高めるしかありません。それが嫌な場合は、PCなど一人で完結する仕事を選ぶしかないです。

FD
ファッションの商品は大勢の人との関わりで量産が可能になります。企画会議やお客様対応等が必須です。新人の時は慣れないかもしれませんが、次第に慣れていくと思います。
どうしても人との関わりが苦手ならまずは一人で商品を作り、ネットなどを利用して販売したらよいです。自分が制作した洋服や雑貨なら自然と買ってくれた方と話をしてみたくなると思います。自分を理解してくれる人が増えれば次のステップに進み、お互いを助け合う関係になるでしょう。

Q15.卒業までに就職が決まらなかったら、もうデザイナー職は諦めるべきでしょうか

VD
最近は卒業後に就職が決まる人も多くいるし、決まっても数ヶ月で転職する人もいます。卒業までに決まらなくても、粘り強くデザインの仕事を目指せる気力が必要な職業です。また、VD分野の就職先に多い個人事務所は、新卒にこだわらないところも多いです。

PD
デザイナー職はもとより資格などのない職業なので年齢などの制約もありませんが、それは逆に腕一本の厳しい世界であることを意味します。仮に新卒で就職できても、経験と年齢を重ねていくと継続や転職の判断も求められます。社会での自身の存在意義を確認し続ける心意気が必要です。

SD
SD分野では、個人事務所を希望する人は卒業制作が終わってから就活をするのが一般的なので、半数以上が卒業までに就職は決まりません。個人事務所に就職を希望する人は、3月~5月あたりが一番就活する時期ですので、卒業までに就職が決まらなくても仕方ないと思ったほうがいいです。卒業した年の夏前までに決まればよいほうです。

FD
FD分野は卒業してから就職が決まるケースも多いです。卒業生からの紹介や途中で求人に応募するなどして、卒業後2カ月ほどでほとんどの学生が就職をしています。場合によってはアルバイトからの経験が必要な業態もありますが、そこは経済的な事情も合わせて相談に乗っています。

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先輩からの一言

「上手くいかないのは、誰のせいでもない」
● 自分を責めても落ち込むだけ。就活がうまくいかなくても、自分のせいではないと考えて、改善できそうなところを見つけるのがよい。

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