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専門学校桑沢デザイン研究所70周年記念プロジェクト

2024.11.26特別対談「デザインの下半分 / 上半分」 TAKT PROJECT 吉泉聡 × 佐藤竜平所長を開催しました


「デザインの下半分 / 上半分」TAKT PROJECT 吉泉 聡 × 佐藤竜平所長
2024年11月16日(土)
16:30 – 18:00
桑沢デザイン研究所 本校舎1階 P1


2024年11月16日(土)、桑沢デザイン研究所の開校70周年特別記念プロジェクト第2弾として、TAKT PROJECTの吉泉聡さんをお迎えして佐藤竜平所長との特別対談が開催されました。
対談には昼間部・夜間部を問わず多くの学生が参加し、デザインの可能性や意義を深く考える機会となりました。

対談の冒頭では、吉泉さんが本校に在籍されていた頃のエピソードや、手がけられたプロジェクトが紹介されました。また、TAKT PROJECTでの領域の垣根を超えた活動や、自主的なプロジェクトで実践している「問題解決だけでなく、新しい可能性を提示して社会を耕す」デザインの在り方について話されました。

例としてミラノで発表した「glow ⇄ grow」や倉俣史朗氏へのオマージュ作品「Homage to SHIRO KURAMATA」を示しながら、吉泉さんは、「分かりやすくて強いデザインも大事かと思うのですが、見る側が立ち止まったり考える余地があるデザインが大切なのではないのでしょうか」という考えについて話され、デザインが持つ社会的な役割について深く掘り下げられました。


佐藤所長からは対談のタイトル「デザインの下半分/上半分」の説明として、桑沢の原型となったバウハウスの創設者ヴァルター・グロピウスが掲げた教育理念と吉泉さんの仕事とを繋げる見取り図が示されました。

吉泉さんが企画を担当した21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「Material, or」も紹介され、今日の社会課題に対して性急に解決策を示すのではなく、まずは原因に向き合うためにマテリアルを介して人々に何を伝えられるかというテーマについて話が広がりました。人間によって特定の意味付けをされてしまう前のマテリアルに出会う経験が、多くの個人や企業から共感されていることが語られました。吉泉さんは、クライアントワークと自主的なプロジェクトの双方を通じて、デザインが単なる問題解決に留まらず、思考や感性のあり方を自由にするものであることを改めて教えてくださいました。

質疑応答の時間では、学生たちから真摯な質問が相次ぎ、吉泉さんとの活発な意見交換が行われました。
対談終了後も吉泉さんに直接質問を続ける学生の姿が見られ、吉泉さんのデザインや言葉に発見があった様子でした。