総合デザイン科 2・3年次 専門課程
FD|ファッションデザイン専攻
「着る」という普遍性を見据えてデザインを展開する。
基礎を固めたうえで、枠にとらわれない自由な発想を目指す
ファッションデザインとは : 身にまとうもの(衣服)のデザインのことを指す。
文化や意識の反映だけでなく、衣服には目的や用途により求められるものが変わる。ファッションデザインには、そうした視点も欠かせない。
3年間の学習の流れ
カリキュラム詳細
2年次 想像力と個性を引き出すための知識と技術
ファッションデザインを学ぶにあたってのテクニックや知識など基礎力を付ける。また、講義科目では、ファッションに関わる幅広い領域を学ぶ。
自由に発想を広げていくことを目標に、イメージを形づくる訓練を行います。大切なのは基礎を固めたうえで個性を発揮すること。そのための知識と技術を学習します。服の種類からアイテムの構造、素材、平面作図やモデリングの基礎、縫製の技術などを徹底して身につけます。さらに、糸を織ったり編んだりするほか、デジタルを使って生地の柄にする方法を学び、ゼロから発想したオリジナル素材で制作します。

3年次 客観的な視点から「着る」を多角的に考える
ビジネスにより近いテーマの課題に取り組みながら、プレゼンテーションやポートフォリオを充実させる。卒業制作を通して、自分の目指す領域を探求する。
自分自身の世界観を築き上げ、卒業制作へ向かいます。技術の向上はもちろん、ファッション産業や商品企画を学ぶことで、客観的な視点を養います。さらにブランドの立ち上げ、商品の企画立案、製品化までの流れを実習。企業における展示会までのプロセスを学びます。重要なのは、自己表現の追求とともに、マーケットのニーズを理解すること。ゼミナールでは「着る」という普遍性を多角的に考え、デザインを展開します。
2022年度 2年次前期の時間割例

授業紹介
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2年次トータルメーキング
難易度の高い縫製スキルを習得する
ジャケット制作を通じて、着心地やスタイリングを考えながら総合的な表現力を養います。効率よく生産するための縫製工程をもとに工業パターンの理論を学び、モデリング(トワル)を縫製します。講評会では、制作したジャケットを試着してプレゼンテーションを行い、デザインのバランスを確認します。
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3年次ファッションデザインⅢ
ファッションの歴史と企画力を学ぶ
ファッションは時代の社会や文化と深く関わっています。オリジナルは歴史を踏まえてこそ生まれるもの。過去の服飾の歴史を学び、そこから現代の社会が求めているファッションデザインに発展します。生活様式や価値観の変化による新しい時代を見据えた企画力や伝達手段の仕組みも重要なポイントです。
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3年次商品企画
ブランド完成の流れを体験
マイブランドの商品を企画立案し、工業パターン、仕様書を作成後、縫製工場へ委託して製品化するという、アパレルの仕事の流れを体験します。市場調査の結果をまとめてブランドを立ち上げ、デザイン、パターンを作成し、縫製工場に依頼。素材の種類や編み方など、発注のための知識を習得します。
カリキュラム詳細
昼間部ファッションデザイン専攻カリキュラム.pdf3年次 卒業制作少人数のゼミに分かれ、一流デザイナーによる指導とともに、自らのテーマを掘り下げていきます。
卒業後の進路
ファッションデザイナー/パタンナー/コーディネィター/マーチャンダイザー など
主な求人
ファッションデザイナー、パタンナーの求人が中心で、コーディネーター、マーチャンダイザーも増えています。
販売職からスタートし、その後デザイナー、パタンナー、企画職などにステップアップするケースもあります。
就職先 |
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求人・内定会社一覧 | ![]() |
教育職員紹介
一流のデザイナーにとって必要な視点や思考法、技術を身につけるため、桑沢では現在も第一線で活躍するデザイナーの教員陣が指導します。
教員職員一覧学生作品ギャラリー
FD「水によって染み渡る愛情の記憶」
FD「生命は光に向かい歪み続ける」
FD「a little happiness garden」
FD「Geometry On Body」
海で広がる小さな輪で繋ぐ大きな幸せ
FD「Essence 賢治が伝えた世界」
FD「jardin miniature」
FD「ぼうきゃくにかたむすびを。」
FD「NIPPON 日本を着る」
FD「Tokyo wonder flower」
FD「Body+」
FD「m019°tion」
FD「アジール」
FD「vector」
FD「undecades」
FD「dear」
FD「非合理的形態について」
FD「カモフラージュ」
FD「セカイ カタチ ワタシ」
FD「on the road」
FD「intersection」
FD「Gebirgsjäger」
FD「くらやみの先へ」
FD「Go my way」
FD「ネオシュールレアリスム」
FD「POKER FACE」
FD「変身」
FD「恋しい気持ちは蔓草のように」
FD「個己分裂」
FD「Il mare」
FD「Veränderung(変化)」
FD「CeLL」
FD「遣る瀬無く着いて」

FD
眞田岳彦 ゼミ
- [担当教員]
- 眞田岳彦
中村淑人|本校専任教育職員
衣服造形をとおして、「アート・プロジェクトをデザインする」
アート・プロジェクト立案・開催をテーマに、衣服造形〈衣服デザイン・アート作品等〉のための「考え、技術、空間構成、動画、身体表現等」を学び・作り、アート・プロジェクトをデザインします。主な学修:衣服造形表現方法(シルクスクリーン、染色、テキスタイル加工、造形、コンセプト、ムービー、CG、空間構成、パフォーマンス)等を基本に「アート・デザイン」に関する事項を学ぶ。

眞田岳彦(さなだ・たけひこ)
造形家/繊維研究家。桑沢デザイン研究所卒業後、イッセイミヤケでデザインを学ぶ。ロンドンに渡り彫刻家リチャード・ディーコンにアートを学び帰国。Sanada Studio設立。以降、国内外の美術館、ギャラリーでアート作品展示、日本繊維地域プロジェクト等多数開催。女子美術大学・大学院教授。東北芸術工科大学客員教授。武蔵野美術大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。著作『衣服 IFUKU』『考える衣服』ほか。桑沢賞受賞。桑沢学園賞受賞。
上=学生作品「水によって染み渡る愛情の記憶」 地上のものたちは皆水によって生まれ、水によって生命を維持している。自分にとって水とは愛情の記憶である。その記憶は、自分自身を大切にするための源であり、他者に愛を与えるための源となっている。川がじんわりと地に張り巡っているように、海がたっぷりと満たされているように、愛情も私たちの心に染み込み、他の誰かへまた滞る事なく染み渡っていく。/
下=学生作品「生命は光に向かい歪み続ける」 生命は光に向かい歪み続ける。歪みは生命力であり、歪んだ痕跡に生の証がある。レンズのない光の量で実像が映し出されるピンホールカメラで被写体がその時間を生きた軌跡を撮影し、ネガデータへ。写真のアウトラインから実像が徐々に現れるまでの分数をテキスタイルにし、蛇腹を制作。歪みが現れるまでの軌跡をイメージした。

FD
藤田恭一 ゼミ
- [担当教員]
- 藤田恭一
辺見小百合|本校専任教育職員
創・纏・ファンタジー
平面を立体に立ち上げ、纏う。表現は人それぞれ。まずはじっくりと布について考える。それは固いものなのか? 柔らかいものなのか? どんな色でどんな柄なのか? すごく悩む。そしてやっとでき上がった布は、あなたにどんな形を求めているのか ? じっくりと何回もパターンメイクを重ねてゆく。すごく考える。いつしかその布はあなたのファンタジーを語りはじめ、立ち上がり身体を纏う。それはほかにないあなただけの物語。3年間の最後の作品、後悔のないよう一緒に創り上げていこう。

藤田恭一(ふじた・きょういち)
桑沢デザイン研究所卒業。イッセイミヤケを経て独立、「Kyoichi Fujita」を立ち上げる。毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。現在ピエール・カルダンのク
リエイティブディレクター。他に企業プロジェクトや百貨店VMDなどのディレクション、YKKファスニングアワードなどの審査員を務める。
上=学生作品「a little happiness garden」 時間をかけ生地を加工したり、ニードルパンチの技法を用い絵画のような作品を制作した。/下=学生作品「Geometry On Body」 1枚の生地を折ったりつまんだりしてつくった立体的な凹凸と、糸による柄を合わせた新しいテキスタイルをテーマとして制作した。
在校生インタビュー
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吉田 祥子
デザインを学びたいと考え、専門学校をインターネットで検索しました。さまざまなサイトを見て一番評価が高かったことが、〈桑沢〉に興味を持ったきっかけです。オープンキャンパスに足を…
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林 上祺
大学時代に野球のユニフォームやロゴをつくっていたことが、デザインを志す契機となりました。生み出すことの面白さに目覚め、腰を据えて学ぶための環境を探していて〈桑沢〉に出合っ…
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林田 蒼
高校は美術科だったので、1年次の授業課題の大半は経験がありました。しかし美術ではなく「デザインの頭」で考えながらもう一度それらの授業を受けることで、デザイナーに必要な基礎…
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田中 未歩子
総合デザイン科は1年次にすべてのデザインを勉強し、2年次に希望の専攻に分かれます。美術大学よりもいろんなことを一通り学べ、経験できると思い、〈桑沢〉を選択しました。入学すると、スペ…
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矢尾 麻琴
描くのは元来好きでしたが、自分の表現にこだわる美術より、社会に求められているデザインに惹かれていました。予備校の先生や周りの評価が高かった〈桑沢デザイン研究所〉を希望しま…
卒業生紹介
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企画
栁瀨 さとみ
入社して8年目で、今はオートクチュールビーズ刺繍キットや通信講座の教材などの企画制作を手がけています。入社当初は、アクセサリーなどの商品管理をしていました。その後、チリアエ…
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デザイナー
小林春奈
ファッションデザイン会社「F.E.A.R EXPRESSIONISM」の新ブランド「RE:SHAZAM」で商品企画を行っています。 ブランドを立ち上げたのは、自分が好きなキャラクターの服を探してい…
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ファッションデザイナー
喜多 理恵
自分のブランドを立ち上げて、東京をテーマとしたクリエイションを発信しています。主にバッグとアクセサリーです。オーダーに応じる形で制作する通販カタログなどの仕事と、…
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ファッションデザイナー
三上 司
ファッションに興味があり、高校生の頃から自分で服をつくっていました。美術大学か専門学校か、進路に迷っていたとき、美術の先生に「美術大学と同じアカデミックな教育もありながら、ファッショ…
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エディトリアルデザイナー
リブル 流可
私は現在、雑誌『エル・ジャポン』の誌面レイアウトをするなど、エディトリアルデザインの仕事をしています。ポスターやサイネージ広告の制作も行っています。〈桑沢〉ではファッション…
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バッグデザイナー
本名 夏美
鞄のデザイン制作と販売をしています。鞄の面白さは、それ自体は大きくないのにひとつひとつに、そしてひとりひとりに世界観がしっかりとあるところです。ものを見て、その型を起こす技術は桑沢デザイン研究所…
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シューズデザイナー
荒井 貴文
イタリアでアパレルブランドの靴部門のデザインを担当しています。会社内でデザインのほかに、休日に外注、アウトワーカーとしてクラシックなオーダーメイド革靴の底付け作業をすることもあります。ファッションアイ…
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ファッションデザイナー
渡辺 奈菜
私はフリーのデザイナーをしています。病院や飲食店のユニフォームのデザイン、テキスタイルの柄やTシャツなどのポイントになるようなグラフィックを作成しています。ユニフォームのデザインは…
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ファッションデザイナー
矢尾 麻琴
さまざまな分野の同級生と切磋琢磨し、ものづくりに対する情熱を体感する。「Spick&Span」というレディースのブランドで企画デザインを手がけています。仕事の流れとしては、生地の開発からはじまり…
関連リンク

FD
眞田岳彦 ゼミ
- [担当教員]
- 眞田岳彦
中村淑人|本校専任教育職員
衣服造形をとおして、「アート・プロジェクトをデザインする」
アート・プロジェクト立案・開催をテーマに、衣服造形〈衣服デザイン・アート作品等〉のための「考え、技術、空間構成、動画、身体表現等」を学び・作り、アート・プロジェクトをデザインします。主な学修:衣服造形表現方法(シルクスクリーン、染色、テキスタイル加工、造形、コンセプト、ムービー、CG、空間構成、パフォーマンス)等を基本に「アート・デザイン」に関する事項を学ぶ。

眞田岳彦(さなだ・たけひこ)
造形家/繊維研究家。桑沢デザイン研究所卒業後、イッセイミヤケでデザインを学ぶ。ロンドンに渡り彫刻家リチャード・ディーコンにアートを学び帰国。Sanada Studio設立。以降、国内外の美術館、ギャラリーでアート作品展示、日本繊維地域プロジェクト等多数開催。女子美術大学・大学院教授。東北芸術工科大学客員教授。武蔵野美術大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。著作『衣服 IFUKU』『考える衣服』ほか。桑沢賞受賞。桑沢学園賞受賞。
上=学生作品「水によって染み渡る愛情の記憶」 地上のものたちは皆水によって生まれ、水によって生命を維持している。自分にとって水とは愛情の記憶である。その記憶は、自分自身を大切にするための源であり、他者に愛を与えるための源となっている。川がじんわりと地に張り巡っているように、海がたっぷりと満たされているように、愛情も私たちの心に染み込み、他の誰かへまた滞る事なく染み渡っていく。/
下=学生作品「生命は光に向かい歪み続ける」 生命は光に向かい歪み続ける。歪みは生命力であり、歪んだ痕跡に生の証がある。レンズのない光の量で実像が映し出されるピンホールカメラで被写体がその時間を生きた軌跡を撮影し、ネガデータへ。写真のアウトラインから実像が徐々に現れるまでの分数をテキスタイルにし、蛇腹を制作。歪みが現れるまでの軌跡をイメージした。

FD
藤田恭一 ゼミ
- [担当教員]
- 藤田恭一
辺見小百合|本校専任教育職員
創・纏・ファンタジー
平面を立体に立ち上げ、纏う。表現は人それぞれ。まずはじっくりと布について考える。それは固いものなのか? 柔らかいものなのか? どんな色でどんな柄なのか? すごく悩む。そしてやっとでき上がった布は、あなたにどんな形を求めているのか ? じっくりと何回もパターンメイクを重ねてゆく。すごく考える。いつしかその布はあなたのファンタジーを語りはじめ、立ち上がり身体を纏う。それはほかにないあなただけの物語。3年間の最後の作品、後悔のないよう一緒に創り上げていこう。

藤田恭一(ふじた・きょういち)
桑沢デザイン研究所卒業。イッセイミヤケを経て独立、「Kyoichi Fujita」を立ち上げる。毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。現在ピエール・カルダンのクリエイティブディレクター。他に企業プロジェクトや百貨店VMDなどのディレクション、YKKファスニングアワードなどの審査員を務める。
上=学生作品「a little happiness garden」 時間をかけ生地を加工したり、ニードルパンチの技法を用い絵画のような作品を制作した。/下=学生作品「Geometry On Body」 1枚の生地を折ったりつまんだりしてつくった立体的な凹凸と、糸による柄を合わせた新しいテキスタイルをテーマとして制作した。