総合デザイン科 1年次 共通課程
基礎造形・基礎デザイン
3年間の学習の流れ
基礎造形
五感を重視し、可能性を広げる
想像力を育てる〈桑沢〉独自の授業
ものを構成する形や色とは何か。表現力や発想力はどうやって育てていけばよいのか。「基礎造形」では、その基礎を1年間通してじっくり学んでいきます。
そのために、まずは「手を動かしながら考える」ことを習慣づけます。見慣れた、使い慣れたものについて、五感を使ってあらためて見つめ直し考えることで、今まで気づかなかった点を発見したり、まったく違った印象を受けたりするかもしれません。これが〈桑沢〉の重要なキーワードである「概念砕き」です。既成概念にとらわれずに対象を把握し、色や形の体系や素材の可能性を探っていくことで、表現や発想の幅を大きく広げるデザインの基礎能力を養っていきます。
「あのときの基礎造形の課題が現在のデザインに役立っています」とデザイナーとして活躍している卒業生たちの声をよく聞きます。卒業してから数年経ってその重要性に気づくところに、「基礎造形」の奥深さがあります。
-
発見先入観を捨て、新しい表現を生み出す 構成・平面
さまざまな素材に触れ、「手で考える」体験をすることで、自分の観察力や発想力を磨き、造形的な力を養っていく授業です。身の回りにある色材などを集め、方法を変えて加工・表現を数多く行います。これは、素材の性質やテクスチャーの大切さを学ぶためです。また、色彩の基本的理論に裏づけされたさまざまな構成や、基本的な図法による平面作品を制作することで、これからデザインしていく上で大切な基礎能力を高めていきます。
-
体感素材の特性をつかみ、形の可能性を探る 構成・立体
立体造形の基本的な技術や知識を習得し、その表現効果を考えていく授業です。点・線・面などを組み合わせて、計画的に形をつくり上げる課題では、基本的な造形力を養います。木材に直に触れ、もっとも握りやすい形を削り出していくハンドスカルプチャーの課題では、予想もしない素材の特性をつかみ取ることから、造形の可能性を探る習慣を身につけます。構成力と感性を磨き上げ、自己の表現を探求する力をつけることを目指します。
-
観察対象をよく見て、柔軟な表現を獲得する フォトグラフ
写真を通して、基礎的な造形力を養います。デザインや表現の分野では、写真の知識は欠かせません。
ライティングや構図、配置など、撮影の基本技術、対象物の切り取り方や光、影、色などを研究することによって、表現の可能性は無限に広がっていきます。自然や社会への理解力や、制約のなかでの構成力や判断力、そして既成概念にとらわれない発想の転換をすることで、さまざまなデザイン表現に対して柔軟に対応できる力を獲得していきます。 -
把握ものの見方を問い直す デッサン+彫塑
「観察」は創造の原点です。対象をしっかり見て、鉛筆と紙で平面へ、粘土で立体へ再現します。そして再現したものをさらに観察します。対象と描いたもの、造形したものを見比べ、自分がものをどのように見ているのか確認していきます。それと並行しながら、プロポーション、構造、量、運動、トーン、テクスチャーといった造形の「ものさし」を自分の中にもち、使いこなすことで、対象を多面的に見る力を身につけていきます。
基礎デザイン
2年次からの4つの専攻と連動
デザインの基礎を身につける
手に取るもの、時間を過ごす空間、身にまとう衣……。多岐にわたるデザインの分野を、「基礎デザイン」の授業では「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「ファッションデザイン」の4つに分け、そのすべてを体験します。
「ビジュアルデザイン」では、「見る」「伝える」の仕組みを考え、情報の視覚化とコミュニケーションを学びます。「プロダクトデザイン」では、観察や分析を通して身近な道具を理解し、その新たな可能性を追求します。「スペースデザイン」では、イメージをどう三次元空間に表現するか、空間が人間の感情にどう影響を与えるかなどを学びます。「ファッションデザイン」では、ファッションと社会との関わりを考え、ライフスタイルや情報発信などの要素を通して作品を制作していきます。
2年次からの専門課程、3年次のゼミに向け、先入観を捨てて各デザインに挑戦して基礎を学ぶことで、進路選択の幅が広がります。
-
基礎デザイン[ビジュアルデザイン]「伝わるデザイン」にするためのわかりやすく見せる方法
-
基礎デザイン[プロダクトデザイン]身近にある道具を理解し新たな可能性を体感する
-
基礎デザイン[スペースデザイン]2次元から3次元へ立ち上げ空間の成り立ちを学ぶ
-
基礎デザイン[ファッションデザイン]ファッションをとりまく要素を社会との関わりから考える
2024年度 1年次前期の時間割例
※時間割は2024年度の参考例です。