総合デザイン科 2・3年次 専門課程
VD|ビジュアルデザイン専攻

ビジュアルデザイン

一過性の風潮や流行ではなく、人間が本来もっている根源的な要素を基盤とした「視覚情報とは何か」を考える

広告や雑誌、スマートフォンの画面など、現代に生きる私たちは視覚情報に囲まれています。一過性の風潮ではなく、人間がもつ根源的な要素とは何か。情報あふれるなかで、メッセージを伝える対象は誰なのか。また、それをどのように伝えればいいのか。適切な表現方法やメディアとは。こういった普遍的な問題を追究するのが〈桑沢〉ビジュアルデザインの特徴です。

カリキュラム詳細

2年次 身近な問題からデザインを構築する方法を学ぶ

目標

記号や画像、文字などの造形エレメントを駆使して、伝えたいメッセージをいかに効果的でわかりやすく、美しく、楽しいビジュアルにできるかを学ぶ。

ビジュアルデザインについて、幅広い知誠と技術を身につけます。絵柄や文字などのさまざまな要素を駆使して、伝えたいメッセージや情報を、いかに効果的にわかりやすく、美しく、興味深いデザインに落し込めるかを学びます。また社会のいろいろな動向にも反応できる感性を磨くことも重要です。

専門講義
ビジュアルデザインに関する専門知識・技術について講義形式で学びます。
技術的な部分だけでなく、柔軟な発想や広い視野のきっかけにもなり、実技科目においてイメージや情報の定着にも役立つ役割を持っています。
前期 後期

印刷・DTP概論

紙や印刷の基本的知識、印刷入稿に必要なPCによるDTPの概要について学びます。

 

画像概論

撮影の現場や画像全般の基礎知識を学ぶとともに、映像の歴史や事例を通して現在身近になった映像についても再認識します。

 
デザイン
1年生で身につけた基礎的な造形力や観察力をベースに、いよいよ具体的・実践的なグラフィックデザインの実技科目を学びます。
広いカテゴリーの中から、厳選された最低限必要な科目を通して、デザインの基礎から応用へと向かって自分を成長させていきます。
前期 後期

ビジュアルデザインⅡA

自分の身近なところから発想した世界観やイメージを元に、他者にもアピールできるデザインへと落とし込んでいく。シンボルマークやさまざまなツールを通して、統一感のあるビジュアル・メッセージの伝え方を学びます。

ビジュアルデザインⅡB

自分で想定したテーマについてリサーチし、オリジナルなデザインに定着させる。モノ・コトの伝えるべき本質をシンプルで力強いビジュアルに置き換え、見る人が共感できる魅力的な表現を探ります。

タイポグラフィ(年間)

グラフィックデザインには欠かせない要素である文字や書体の構造、また、文字組の基礎知識とルールを学んだうえで、文字表現をベースとした幅広いコミュニケーションの基礎について学びます。

タイポグラフィ(年間)

具体的テーマに基づいて、文字をメインにイラスト・写真・図版等の要素を自由に織り込み、魅力的な雑誌、書籍などを制作し、編集デザイン(ページもの)を学びます。

フォトグラフ(年間)

デザインの現場で写真を利用するために必要な基礎技術の習得と、撮影実習を通して観察力、構成力を養い、写真表現の基礎を学びます。

フォトグラフ(年間)

写真をコミュニケーションの有力な手段としてとらえ、ものの見方や考え方に重点を置き、写真の可能性を探ります。

イラストレーション

自己表現にとどまらず、情報伝達としてのイラストレーション表現の可能性や、ディレクション的な視点からイラストの魅力を探ります。

パッケージング

モノを包むとは何かを考え、立体構造、色彩効果、表面デザインなどの基礎を学修する。また、具体的な商品パッケージについて段階的に学修していきます。

コンピュータ演習

グラフィック系基本ソフトの技術習得と、デザインワークに欠かせないコンピュータ関連の基礎知識を学ぶ。前期科目全体の中で、Illustrator、Photoshop およびInDesignの基礎を習得します。

Webデザイン

Webデザインをするうえで、独特のデザイン的な考え方や手順について学修する。同時にWebを制作するための基本的な知識や、標準ソフトの基礎について学びます。

プレゼンテーション

自分自身や作品のアイデアをプレゼンテーションするための方法を体験を通して学ぶ。また、ポートフォリオのベースを制作しはじめ、3年次の就職活動に備えます。

3年次 主題である視覚情報を的確に美しく伝える

目標

量産性や平面性を超えた「ビジュアルアート」の分野を学び、より幅広い発想力を養うとともに、卒業制作に取り組む。

論理的にデザインを組み立てる方法を養い、社会のニーズに応える効果的な表現を考察します。ゼミではひとつのテーマを1年かけて追究し、作品の完成度を高めていきます。視覚情報をいかに的確に美しく、ビジュアルデザイン専攻 また、楽しく伝えられるかを研究していきます。

専門講義
第一線のデザイナーや異なる分野で活躍しているスペシャリストを講師として招聘し、話を聴きます。
前期 後期
制作の現場
第一線で活躍しているデザイナーやクリエイターを毎回招聘し、制作現場の話やエピソードなどについて聴講する。実際の現場を理解することで、自己の進路について考えるきっかけをつかみます。
デザイン
卒業制作を中心にしながら、「プレゼンテーション」や「ビジュアルアート」の分野も並行して学び、制作していきます。
前期 後期

ビジュアルデザインⅢ

ブランドイメージの企画立案を通して、システムとしての統一感あるビジュアル表現の構築を学ぶ。ロゴマークをはじめ、複数の実践的なアイテムを実際に制作していきます。

表現研究

各自の創造表現を広げるため、既存のデザイン領域外の視点から体験や実習を重ねます。限定されがちなデザイン領域の縛りの外へと、自分の感覚を磨いていきます。

チュートリアル

教員との個別相談の時間を設け、自分の将来へ向けたカウンセリングを行います。また、就職活動に必要な、完成度の高いポートフォリオの制作を目指します。

卒業制作
少人数のゼミに分かれ、一流デザイナーによる指導とともに、自らのテーマを掘り下げていきます。

浅葉克己ゼミ

浅葉克己デザイン室(アートディレクター)

工藤強勝ゼミ

桑沢デザイン研究所所長、デザイン実験室主宰(エディトリアルデザイナー)

天宅正ゼミ

グラフィックデザイナー、アートディレクター

森井ユカ ゼミ

㈲ユカデザイン代表(立体造形家、雑貨コレクター)

伊藤透ゼミ

パッケージデザイナー

白根ゆたんぽゼミ

イラストレーター、アートディレクター

羽金知美ゼミ

写真家

・卒業後の進路 ⇒就職・求人会社一覧
Web/グラフィック/エディトリアル/パッケージデザイナー、フォトグラファーなど



教育職員紹介

専任教育職員

粟野隆浩 (あわの たかひろ)

桑沢デザイン研究所卒業。雑誌、書籍、定期刊行物のデザイン、またパンフレットなどの販促物デザインをはじめ、ロゴデザインなどを手がける。趣味はスキューバダイビング、バイク、キャンプなど。桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン分野責任者。

川畑明日佳 (かわばた あすか)

東京造形大学造形学部卒業。Royal College of Art( MA)修了。Ab Rogers Design(ロンドン)にてブランディング、パッケージデザインのほか、テート・モダン美術館、台北市立美術館などで展覧会のデザインを手がける。2009年帰国、以後フリーランス。ルース・ドリュー賞、D&AD 賞など受賞多数。

鈴木一成 (すずき かずしげ)

桑沢デザイン研究所卒業後に渡仏、帰国後フリーランスのフォトグラファーとして雑誌・カタログなどを手がける。2009年よりコンテンポラリーアートギャラリーでディレクターを務め、展覧会の運営やアートフェアなどイベントの企画、アーティストのサポートなど、現代アートの仕事も手がけている。

辻原賢一 (つじはら けんいち)

武蔵野美術大学専攻科修了。武蔵野美術大学グラフィック専攻研究室助手を経て、C.C レマン・チーフデザイナーに就任。HONDA、JR、ANAなどの広告デザインを手がける。コンテンポラリー・アート展奨励賞、毎日広告デザイン賞奨励賞など受賞多数。「晴れ男」。

豊島晶 (とよしま あき)

デザイン会社勤務を経て2009年から2014年の5年間NYを拠点に活動。AKIPON DESIGN HOUSE代表。東京TDC、N.Y.TDC、日本タイポグラフィ年鑑(ベストワーク賞2回)など入選多数。2014年モリサワより書体「すずむし」をリリース。映画・TVのタイトルや広告、パッケージなどに使用されている。

永沼真一郎 (ながぬま しんいちろう)

桑沢デザイン研究所卒業。玩具のパッケージデザインをはじめ商品ロゴデザイン、イラスト、コンセプトCGなどを手がけ、玩具・雑貨の企画開発にも関わる。公益社団法人日本パッケージ協会「JPDA」に所属。パッケージデザインの教育と研究を行う。「伊藤透ゼミ」授業を担当。

宮根土真砂 (みやね とまさ)

桑沢デザイン研究所卒業。デザインプロダクション等でディレクター・プロデューサーとして広告・CM・Web等のデザイン、VI・CIの制作や広報イベント企画、マーケティング、ブランディングなどを手がける。ビジュアルデザイン、夜間部チュートリアル担当。

桑沢の教員

一流のデザイナーにとって必要な視点や思考法、技術を身につけるため桑沢では現在も第一線で活躍するデザイナーの教員陣が指導します

教育職員一覧はこちら

学生作品ギャラリー

  • 学生作品ギャラリー

    VD「コロナ文字」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「南無阿弥陀仏」

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    VD「HIGHWAY GIN」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「静かな雨の夜に」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「凌霄花(のうぜんかずら)」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「TOSCA」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「Backstreet Lolita」 

  • 学生作品ギャラリー

    VD「マウンドに白煙」 

  • 学生作品ギャラリー

    VD「この場所で。」 

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    VD「Colorful BLACK」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「自然の肖像」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「A PLACE WE CALL HOME」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「みずたまさいたま」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「eye talk.」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「あたまで見てる」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「ゆきひえ」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「テンポグラフィ」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「free flip fly」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「ある日の影」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「並存の佳景」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「恐怖症タトゥー」

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    VD「Apotheosis」

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    VD「モモ」

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    VD「丹頂」

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    VD「幻想叙事詩」

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    VD「じゃばら日本昔話」

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    VD「楽しい浴育」

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    VD「マルチーズを肩に乗せるな」

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    VD「迎春フォント」

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    VD「Speed」

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    VD「A LITTLE SHOPPING」

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    VD「視線の鏡」

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    VD「君の中のアリス」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「お破り初め」

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    VD「たま語」

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    VD「PROPOSE」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「よいしゅうまつを」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「ブラックイソップ物語」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「hito柄」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「MOSS FOR LIFE」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「26_26」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「TAIL NAIL」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「yumeura」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「中毒大辞典」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「MELT」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「わたしの仲間を紹介します」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「Re:action」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「The origin of Chinese charactor」

  • 学生作品ギャラリー

    VD「STERIC OR FLAT」

卒業生紹介

  • 堀口 朋奈

    デザイナー/アートディレクター

    堀口 朋奈

    コンビニやスーパーで目にする食品やお菓子、百貨店に並ぶ贈答用菓子などの商品パッケージのデザインを手がけています。 クライアントである企業の思いをくみ、デザインを検討…

  • 毎熊 那々恵

    アートディレクター

    毎熊 那々恵

    分野は違ってもデザインの根幹は一緒 基礎を学ぶことの大切さを知る。アートディレクター兼デザイナーとして、ポスターなどの広告からウェブサイト、そして企業キャンペーンやイベント運営など…

  • 柿崎 サラ

    イラストレーター

    柿崎 サラ

    母が〈桑沢〉の卒業生でデザイン関係の仕事をしていましたから、美術関係の学校も職業も身近なものでした。中学のときにはじめて〈桑沢〉の卒業生作品展を見て圧倒され、進路の選択肢とし…

  • 有本 誠司

    ウェブデザイナ一

    有本 誠司

    Webサイトのデザイン/コーディングをしています。コーディングとはWebサイトの骨組みを設計し、デザインを元に画面のなかでレイアウトして閲覧できるようすることです。最近では、写真家の「…

  • 米山 浩太郎

    デザイナー

    米山 浩太郎

    デザインの仕事をしたいと思いはじめたのは、18歳の頃からです。幼い頃から、絵を描いたり物をつくったりするのは得意でしたが、大人たちから「絵がうまいね」と美術の道を勧められると、子ども…

  • 黒江 美穂

    展覧会企画

    黒江 美穂

    渋谷ヒカリエ8階にD&DEPARTMENTが展開している3つのスペース、ミュージアム、ストア、食堂のうち、私はミュージアムの企画を担当しています。3店舗とも、47都道府県の魅力をデザインの視点から紹介していま…

  • 太田 みなみ

    グラフィックデザイナー

    太田 みなみ

    チーフデザイナーとしてパッケージを中心に担当しています。具体的には、パンやゼリー、ジャム、化粧品やネイルのパッケージ。そして、リーフレットなどの販促物、機関誌などの冊子…

VD

浅葉克己 ゼミ

[担当教員]
浅葉克己
杣田佳穂|ギャラリーミサワバウハウスコレクション学芸員
林 加楊|書家
川畑明日佳|本校専任教育職員

mirror 自分のフォントと作品の拡がり

僕は〈桑沢〉在学中、放課後に同級生と希望者を集めて、レタリングやタイポグラフィを教えた。卒業後は佐藤タイポグラフィ研究所で修行し、「英字システム」のデザイン、トラヤヌスやローマンの設計の割出をした。イギリスでは仕事をする時、まず自分のフォントを作り、次にイメージを発展していく。今年の卒展は自分のフォントを制作し(欧文でもいいし、日本だから和文でもよい)、mirrorというテーマで発展させる課題だ。これは将来必ず役に立つ。

浅葉克己(あさば・かつみ)
桑沢デザイン研究所卒業。1940年生まれ。浅葉克己デザイン室を設立。アートディレクターとして、西武百貨店「おいしい生活」、サントリー「夢街道」など、数多くの作品を制作。日本アカデミー賞、紫綬褒章、東京ADCグランプリ、旭日小綬章など受賞・受章歴多数。東京TDC理事長、東京ADC委員、JAGDA理事、AGI日本代表、東京造形大学・京都精華大学客員教授。

上/学生作品「コロナ文字」 時代の鏡となるコロナをテーマに、タイプフェイスを制作。新型コロナウイルスの影響による登校制限や、社会の暗いニュースなど混沌とした感情の最中ではあったが、デザイン学生としてポジティブに捉え、巨大文字にエネルギーを注いだ。/下/学生作品「南無阿弥陀仏」 時々満たしたい。時々手放したい。欲望とどう共存するかという葛藤を形で表現した。欲望を具現化したものとしてのスロットマシンと、「欲望を手放す」と主張する仏教、両極端の視点で欲望というテーマを捉えた作品。

VD

伊藤 透 ゼミ

[担当教員]
伊藤 透
中野 恵|本校非常勤教育職員
永沼真一郎|本校専任教育職員

「美しい」をデザインする

美しい人、美しいもの、言葉、風景など、この世界は「美しい」であふれています。人は何を美しいと感じるのか。人はなぜ美しさを求めるのか。このゼミでは、各自が「美しい」と感じるテーマを選び、それを元に商品の企画とデザインを行います。立体、平面、質感、色彩、象徴、言葉を複合的に扱い、新しい価値をもつ「美しい商品」のデザインをつくっていきます。授業は実際のデザイン開発プロセスに沿って進めますので、実戦的かつ総合的な知見を得ることができます。

伊藤透(いとう・とおる)
千葉大学工業意匠学科卒業。株式会社資生堂、仏カレ・ノアール社勤務の後、独立。化粧品を中心としたさまざまな分野のパッケージ・プロダクトデザインを手がける。株式会社エスキース代表、 公益社団法人日本パッケージデザイン協会・理事長、千葉大学非常勤講師。

上/学生作品「HIGHWAY GIN」 高速道路をモチーフにしたジンボトルとパッケージ。道と道の重なりの美しさやジャンクションの構造の面白さを表現した。実際の高速道路のように、どこへでも行けてしまうような感覚で心地よく酔って欲しいという想いを込めた。
下/学生作品「静かな雨の夜に」 谷川俊太郎さんの詩「静かな雨の夜に」をモチーフに制作。雨粒のしたたる窓とその向う側に見える風景をジンのボトルで表現した。

VD

白根ゆたんぽ ゼミ

[担当教員]
白根ゆたんぽ
中谷靖彦|本校非常勤教育職員

描いてひらく

当ゼミはグラフィックデザインの一要素であるイラストレーションを多角的にとらえ、前期では共通の課題、 後期では各自の作品ファイル制作による実践・講評を 繰り返し、「1枚1枚を描き上げる力」「描いて伝える力」をつけてきました。共通テーマにある「ひらく」 は開く、拓く、などいろいろな使い方のできる言葉です。この開放的なキワードを元に、卒業制作を最終目標とするのではなく、卒業後、つぎの世界へ学生が進んでいくためのステップととらえています。

白根ゆたんぽ(しらね・ゆたんぽ)
イラストレーター。1968年埼玉県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後フリーのイラストレータになる。雑誌、広告などの各種印刷媒体、Webコンテンツ、企業キャンペーンなどにイラストを提供。クライアントワークのほか個展開催、企画展への参加など多数。

上/学生作品「Backstreet Lolita」 違和感と共通点をコンセプトに、赤色のロリータ服を着ている少女と裏通りの雑多な背景を描いた。
下/学生作品「マウンドに白煙」 高校野球を題材としたストーリーを作り、それに合わせて装丁画を描き、小説の形にデザインした。

VD

森井ユカ ゼミ

[担当教員]
森井ユカ
宮根土真砂|本校専任教育職員

キャラクターマーケティング

「キャラクター」には二つの意味があります。ひとつは「マスコット」、もうひとつは企業や個人における「らしさ」です。これらに市場価値を与える行為が「キャラクターマーケティング」であるとして、さまざまな事例を研究し、企業からの協力を得て、より豊かな生活のためのデザインや社会とつながるデザインを追求します。

森井ユカ(もりい・ゆか)
桑沢デザイン研究所卒業。東京造形大学大学院修了。雑貨コレクター、立体造形作家。キャラクターデザインの企画や監修、平面キャラの立体化など。近著に『IKEAマニアック』(河出書房新社)、『月イチ台北どローカル日記』(集英社)、粘土遊びセット『ねんDo!』企画デザインなど。

上=学生作品「みずたまさいたま」 水玉模様の“目立たせることができる”という特徴を利用して、埼玉県の観光を活性化させるという目的の制作。埼玉の観光地や名産品などを水玉にすることで注目を集め、“影が薄い”“なにもない”という世間からのイメージを変える。
/下=学生作品「eye talk.」 自閉症の弟をリードユーザーとして制作した、シンボルコミュニケーション支援アプリ。言葉でのコミュニケーションを苦手とする方々に、シンボルを使ったコミュニケーションのかたちを提案する。

VD

工藤強勝 ゼミ

[担当教員]
工藤強勝
豊島 晶|本校専任教育職員

概念としての「本」と「告知ポスター」を造る

テーマを設定せず、各自自由なテーマにもとづいて媒体としての書物のあり方を、編集からエディトリアルデザイン~造本に至る計画、制作を通して「編集・造本・告知ポスター」などの新たなグラフィックデザインの提案をめざします。感覚的なものではなく、コンセプトを打ち出していくデザインにしていきます。また、五感を十分活用・刺激しながら、ビジュアルコミュニケーションを構築し、グラフィックデザインのあらゆる可能性を探ります。

工藤 強勝(くどう・つよかつ)
桑沢デザイン研究所卒業。1976年デザイン実験室設立。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科講師を経て2006年より首都大学東京システムデザイン学部・大学院教授、~ 14年客員教授。著書に『編集デザインの教科書』、『デザイン解体新書』、『文字組デザイン講座』など。「第7回桑沢賞」、「第48回講談社出版文化賞ブックデザイン賞」受賞。2019年「タイポグラフィをめぐる書物の森」展企画監修など。

上/学生作品「凌霄花(のうぜんかずら)」 中国雲南省曲靖市に保存されている墓碑・爨宝子碑(さんぽうしひ)から着想を得て、日本語の書体を制作した。
下/学生作品「TOSCA」 オペラにもっと気軽に触れ、興味を持ってもらえるような絵本を制作。イタリアのオペラ「トスカ」を自分なりに解釈し、現実の舞台では表現し得ないようなイラストで印象的な場面を描いた。本を開くたびにトスカの世界に入り込めるような、そして本物の舞台を見たくなるような絵本を目指した。

VD

天宅 正 ゼミ

[担当教員]
天宅正
辻原賢一|本校専任教育職員

今の気づき

今の自分が気づいたことを今の自分の表現で今の世の中に提案する。その提案が世の中にどう受け止められるか今の自分でしっかり気づくこと。自分なりの見方で世の中を観察し、自分なりの気づき方で発見していきましょう。発見するために、積極的に行動しましょう。伝えるために、自分の中にあるサービス精神を総動員して表現ししょう。デザインに限らず、ものをつくるこを続ける限り、その繰り返しだと思います。

天宅正(てんたく・まさし)
1978年兵庫県生まれ。tentai.design代表。東京藝術大学デザイン科卒業。同大学院デザイン科修了。2005-16年ドラフト。2017-19年神戸市クリエイティブディレクター。主な仕事にD-BROS「KUDAMEMO」、銀座ミツバチ「ginpachi」「銀座imogine!」、デザイン振興会「GOOD DESIGN AWARD 2020 YEAR BOOK」ほか。JAGDA新人賞、東京ADC賞など受賞。

上=学生作品「この場所で。」 みんな同じ世界にいて、同じ時を生きているはずなのに、出会える人と会えない人がいたり、日によって会えたり会えなかったり。そんな奇妙で不思議な、縁やつながりが持つ魅力を表現した。
/下=学生作品「Colorful BLACK」 ネオンが輝く夜には、街や建物も息をしているように生命力があふれている。暗闇においてこそ、カラフルな色が強調され、華やかさとの対比が寂しさをかもし出している。物事をネガティブに捉えるより、少し角度を変えてみると何か新しいものが見えてくるかもしれない。

VD

羽金知美 ゼミ

[担当教員]
羽金知美
鈴木一成|本校専任教育職員

写真は面白くて難しい。

カメラのシャッターを切れば誰でも写真を撮ることができます。でも、よく撮れたと思う写真と、思っていたのとは何か違うと感じる写真が撮れることがあります。なぜでしょう? どうしたら思いに近い写真が撮れるのでしょうか? 自分の写真や人の写真をよく観察して、写真を構成するものが何なのか探ってみましょう。選択、光、主観と客観、自己と他者……。写真を通して色々な発見ができればよいと思います。

羽金知美(はがね・ともみ)
1972年東京都生まれ。1993年桑沢デザイン研究所リビングデザイン科卒業。1994年桑沢デザイン研究所写真研究科卒業。1997年フリーのカメラマンとして活動開始。

上=学生作品「自然の肖像」 身体というのは誰一人同じものは持たない。必ずしも顔のみがその人を表す全てではなく、身体そのものが放つエネルギーや個性を写したい。ファインダーを通して見る世界では人間も、自然の流れの中の造形物のひとつ。写真を通し、自身の身体観と視点の在り方をこれからも模索していきたい。
/下=学生作品「A PLACE WE CALL HOME」 この社会の中で、自分自身に正直であり、お互いの「らしさ」を尊重できる環境を私たちは作れているのだろうか。人の数だけ異なった愛の形があり、どれも美しい。

卒業生紹介

  • 堀口 朋奈

    デザイナー/アートディレクター

    堀口 朋奈

    コンビニやスーパーで目にする食品やお菓子、百貨店に並ぶ贈答用菓子などの商品パッケージのデザインを手がけています。 クライアントである企業の思いをくみ、デザインを検討…

  • 毎熊 那々恵

    インテリアデザイナー

    毎熊 那々恵

    分野は違ってもデザインの根幹は一緒 基礎を学ぶことの大切さを知る。アートディレクター兼デザイナーとして、ポスターなどの広告からウェブサイト、そして企業キャンペーンやイベント運営など…

  • 柿崎 サラ

    イラストレーター

    柿崎 サラ

    母が〈桑沢〉の卒業生でデザイン関係の仕事をしていましたから、美術関係の学校も職業も身近なものでした。中学のときにはじめて〈桑沢〉の卒業生作品展を見て圧倒され、進路の選択肢とし…

  • 有本 誠司

    ウェブデザイナ一

    有本 誠司

    Webサイトのデザイン/コーディングをしています。コーディングとはWebサイトの骨組みを設計し、デザインを元に画面のなかでレイアウトして閲覧できるようすることです。最近では、写真家の「…

  • 米山 浩太郎

    デザイナー

    米山 浩太郎

    デザインの仕事をしたいと思いはじめたのは、18歳の頃からです。幼い頃から、絵を描いたり物をつくったりするのは得意でしたが、大人たちから「絵がうまいね」と美術の道を勧められると、子ども…

  • 黒江 美穂

    展覧会企画

    黒江 美穂

    渋谷ヒカリエ8階にD&DEPARTMENTが展開している3つのスペース、ミュージアム、ストア、食堂のうち、私はミュージアムの企画を担当しています。3店舗とも、47都道府県の魅力をデザインの視点から紹介していま…

  • 太田 みなみ

    グラフィックデザイナー

    太田 みなみ

    チーフデザイナーとしてパッケージを中心に担当しています。具体的には、パンやゼリー、ジャム、化粧品やネイルのパッケージ。そして、リーフレットなどの販促物、機関誌などの冊子…