VD

浅葉克己 ゼミ

[担当教員]
浅葉克己
大熊 肇|本校非常勤教育職員
杣田佳穂|ギャラリーミサワバウハウスコレクション学芸員
林 加楊|書家
             深谷友紀子|本校非常勤教育職員
             川畑明日佳|本校専任教育職員
             ※2023年度より浅葉克己+GOO CHOKI PARゼミに変更します。

希望

僕は篠田正浩監督に美術監督として選ばれ、3本の映画製作に参加させていただいたことがある。1本目は「写楽」、2本目は「梟の城」、そして3本目は「スパイ・ゾルゲ」。スパイ・ゾルゲは日本の昭和時代をテーマにした映画だ。現在のアフガニスタンやミャンマーに相当する。激動の時代だった。篠田監督は台本の冒頭に「魯迅」のことばを記した。

思うに希望とは、
もともとあるものともいえぬし、
ないものともいえない。
それは地上の道のようなものである。
もともと地上には道はない。
歩く人が多くなれば、
それが道になるのだ。 魯迅

高層ビルも建ち並び、高速道路もいっぱい出来た現代。次の時代の「希望」とは何か、難しい題だが、君たちには見えている。

注:魯迅。中国の文学者。日本で医学を学び帰国後「狂人日記」「阿Q正伝」などを書く。中国近代文学の先駆者。創作・翻訳・社会批評に活躍した。東京・神田や中国・上海に行くと魯迅が来た店によく案内される。

「MISAWA BAUHAUS 2020」
浅葉克己(あさば・かつみ) 1940年神奈川県生まれ。桑沢デザイン研究所、ライトパブリシティを経て、75年浅葉克己デザイン室を設立。代表作に西武百貨店「おいしい生活」、サントリー「夢街道」、武田薬品「アリナミンA」、三宅一生のロゴマーク関連など。東京ADC最高賞、紫綬褒章、旭日小綬章、亀倉雄策賞など受賞多数。東京TDC理事長、JAGDA理事、東京ADC委員、桑沢デザイン研究所10代目所長、東京造形大学・青森大学客員教授などを務める。卓球六段。

学生作品

学生作品「MIC」自分自身のクリエイターとしての創造力を生物として具現化した。“MIC”は“My Inner Creativty”の略で、日本語の訳では「私の内なる創造力」という意味。今はまだ小さく、眠っている状態のMICだが、将来的には立派な怪物へと成長し、世界の希望となるだろう。

学生作品「THE BUBBLE OF& POINTILLISM」偶然できた泡のグラフィックをフォーマットに、ドットの色のみを変えていき、具象・抽象のさまざまな図像を映し出す。偶然生まれ、姿形を変えながら絶望へ人々を導く「コロナ」という存在から「発生の偶然性」と「広がり方」を抽出し模倣することで、人々の受けた悲しみを糧にしながら希望へと昇華する。

戻る