総合デザイン科 1・2・3年次 共通課程 デザイン学

桑澤洋子とデザイン学

桑沢デザイン研究所の設立者がくり返し語っていたことがあります。
それは本格的なデザイナーを生み出すにはデザイン学が欠かせないということでした。桑澤洋子は研究所を設立するにあたり、当時の軸であった「ドレス科」だけでなく、その他のデザイン領域を扱う「リビングデザイン科」を併設しています。
それは現代のデザイナーには総合的な学びが必要であると考えたためでした。また同時にデザイナーの基礎となる実習と教養の学びも欠かせないと考えて、色彩・デッサン・構成などの実習=「基礎造形」に加えて、デザイン論・デザイン史・社会学を中心にした教養=「デザイン学」を設置しました。
いまなおデザイン学分野では設立者の信念を継承し、全ての専攻の学生のバックボーンとなるように、三年間をかけて学ぶ合同講義と自由選択科目(研究ゼミ系)を設置、運営しています。

1年次
デザインに触れる

1年次では、デザインの歴史や現在の状況を学びながら、デザインに関する基本的な知識を身につけます。
「近代デザイン史A・B」では技術、市場、アート、大衆文化などデザインに関連する分野を視野に入れ、「デザイン」が何であったのかを振り返ります。
「デザイン概論A・B」ではインテリアからグラフィックにいたるデザインの各領域における最新動向や仕事のひろがりを視野に入れるとともに、今後のデザインに求められる倫理や社会価値などについて考えます。

2年次
社会・文化を知る

1年次の学習を踏まえ、社会の仕組みや日常生活に根づく文化を知り、取り組みたい問題やテーマを探す段階に入ります。「文化論」では風土や歴史の中で育まれた日本文化を知ることで、「メディア論」では地域と時期で異なる映像・音響・文字の利用法を知ることで、学んだ知識の活用を図ります。
「人類学」では現代の日常生活を支えるグローバルな関わり合いを、「認知科学」では身体感覚の工学的なメカニズムを学び、その中で「デザインができること」を探っていきます。

3年次
問題・テーマを見つけ出す

3年間の集大成である卒業制作や、その後もデザインを仕事にしていくときに動機となる、大きなテーマを見つけ出す段階に入ります。「デザインの視点」では、情報技術、経営、マーケティングなどに深く関わり、独自の仕事を生み出してきたデザイナーの問題意識や、実際の取り組みを学びます。「デザインの課題」では、近代以降の社会が長らく抱えてきた問題や、デザインに期待されてきた役割を学んだうえで、今後「デザインがするべきこと」について考えます。

授業紹介

  • 1年次 近代デザイン史A

    これまでのデザインの歴史を知る

    19世紀半ばの国際博覧会の開催以来、特に国家、市場、技術、アート、大衆文化等、関連する分野の拡がりを視野に入れながら、近現代史の中でデザインと呼ばれてきた取り組みや活動を振り返ります。

  • 2年次 文化論

    風土や歴史のなかで育まれた日本文化を知る

    固有の風土や歴史のなかで形づくられた日本文化について学びます。西欧のような物理的な壁を使わない空間の仕切り方や、外と内を区別する沓脱ぎ(くつぬぎ)など、長い年月のなかで定着した慣習と知恵を理解する機会をつくり、制作への活用をはかります。

  • 3年次 デザインの視点

    情報技術、経営、マーケティングなど、
    現在のデザイン活動の広がりと意義を学ぶ

    それぞれの問題関心やテーマに向き合い、独自の視点から実践された、デザインに関わる取り組みについて学びます。情報技術の活用、企業経営への導入、セールスの現場との連携、地域プロジェクトの企画・運営など、これからの社会で実際に機能しうるデザインのあり方を考えます。
    併せてマーケティングによるシナリオづくり、記憶を重視したブランディング、身体感覚を活用した環境設計など、デザイン制作の手法も学びます。

授業の様子は以下のページより紹介しています。

デザインの現場

英会話

将来のデザインに役立つ英会話の基礎力を身につける必須の科目

デザイナーの活動の場も海外に広がっています。ネイティブの英語教師からリアルな英語を学び、将来のデザイン活動に役立つ英会話能力を身につける必修の科目。これは同時に、発想を豊かにする言語への意識を高める機会にもなります。

自由選択

もっと深く学びたいという希望に応える選択科目

1・2・3年次に共通の「自由選択」は、もっと広く深く学びたい、関連分野をもっと知りたい、弱点を強化したいといった希望に応え る選択科目群です。「構成」の科目も「力と姿形」「版表現」「かたち・表現」などにわかれ、「デッサン」「コンピュータ演習」「アパレル デザインプロジェクト」「メディア文化研究」「カースタイリングデザイン」など、自分に合った授業を受講でき、学年や専攻を越えて学生同士の交流が深まるのも大きな魅力です。

授業一覧

【1~3年次選択】 心理学研究A・B/美術史研究A・B/メディア文化研究A・B/カルチャー英語研究A・B/ ライティング・スタイル研究A・B/ 構成[力と姿形]/ 構成[版表現]/ 構成[かたち・表現]/ デッサン/ 彫塑/
【1年次選択】 立体を考える・表現する/ ウェアラブルB
【1~2年次選択】 ウェアラブルA/ カースタイリングデザインA・B/ コンピュータ演習【画像合成】
【2~3年次選択】 レタリング/ アパレルデザインプロジェクト/ ウェブマーケティング&デザイン(基礎)
【3年次選択】 印刷実習

●研究ゼミとは
「~研究」の科目は、好奇心に応える演習です。「心理学研究」では、感情に働きかける色彩や映像の扱い方を学びます。校外見学で刺激的なアートの展開を視野に入れる「美術史研究」。映画と原作の小説やマンガを比べ、たくさんの作品と出会う「メディア文化研究」。「カルチャー英語研究」では、英語の記事や映像を通じて、現代の文化動向に触れます。「ライティング・スタイル研究」では、言語による思考の整理と組み立ての方法を学びます。

※一部、学年や専攻を限定している授業もあります