在校生インタビュー

本当に自分が必要だと感じる服を
つくりたい人にとって、
〈桑沢〉は適した環境
総合デザイン科3年 ファッションデザイン専攻吉満ひかり
- 2003年神奈川県生まれ
- 2022年千葉県立柏の葉高校卒業
- 2003年神奈川県生まれ
- 2022年千葉県立柏の葉高校卒業
作り手の本気度
ーデザイナーを志したきっかけを教えてください。
もともとイラストを描いたり、物作りが好きでしたが、高校の文化祭で自分がつくったうちわがグッズとして配布され、皆が楽しんでいる姿を見たことがデザイナーを志したきっかけです。ーなぜ〈桑沢〉を選んだのでしょうか?
進路を決める際にいくつかのオープンキャンパスに参加しましたが、〈桑沢〉の在校生の作品やポートフォリオからは、作り手の本気度が他の学校より強く伝わってきました。また、当時は目指したいデザイン分野が決まっていなかったため、1年次に専攻を決めずに幅広い分野を学べるカリキュラムであったことも理由のひとつでした。ー実際に入学して、入学前の認識とギャップはありましたか?
入学前に聞いていた通り課題は多くて大変でしたが、それでも入学してよかったと感じています。共通の趣味や目標を持った友人と出会えたことも大きかったですが、何よりも自分が本当にやりたいことを見つけられたことが、入学してよかったと思う一番の理由です。
吉満さんが桑沢祭のファッションショーで発表した“psyche”。童話の持つ歪んだ世界観を表現している。
ーもともとファッションに興味があったのでしょうか?
全くありませんでした。高校まではファッションに無頓着で、まさか自分がファッションデザイン専攻に進むとは思っていませんでした。もし〈桑沢〉に入学していなければ、ファッションデザインについて考えることすらなかったと思います。ファッションとは何か
ー〈桑沢〉ファッションデザイン専攻の特徴を教えてください。
少人数制なので、プロのデザイナーでもある先生と密にコミュニケーションがとれ、自分のペースに合わせて丁寧に教えてもらえます。ファッションに関することはもちろん、日常の中で気になった些細なことでも気軽に相談できる関係性です。また、〈桑沢〉はもともとファッションデザインの学校としてスタートしており、私の個人的な意見ですが、創立者の桑澤洋子先生が提唱した“概念砕き”の精神を最も色濃く受け継いでいるのが、ファッションデザイン専攻ではないかと思っています。ーそれはどういうときに感じるのでしょうか?
“概念砕き”とは、物事を既成の枠組みにとらわれず、自由で柔軟に捉え直すという考え方です。たとえば、現在卒業制作に取り組んでいますが、私が所属している眞田ゼミでは、具体的な答えや方法を教わることはほとんどありません。まず、自分の考えを先生に提案し、それに対して先生がさまざまな角度から質問を投げかけます。このプロセスを繰り返すことで、既存の概念や価値観が解体され、人々の生活に本当に必要な衣服が何かを考えることへとつながっていきます。
ひとつの作品に何種類ものテキスタイルを使用する。過去につくった素材が別の作品のヒントになることも。
ーどのような人が〈桑沢〉に向いていると思いますか?
ファッションの本質を考え、本当に自分が必要だと感じる服をつくりたい人にとって、〈桑沢〉は適した環境だと思います。間接的に社会を変える
ーご自身にとって“デザイン”とはどのようなものだと考えていますか?
直接的に人や社会に影響を与えるわけではなくても、使い手の心に触れることで、間接的に社会に変化をもたらすものだと思っています。使い手を楽しませたり、生活を便利にすることは、デザインのほんの一面にすぎないということを〈桑沢〉で知りました。ーこれから〈桑沢〉を目指す方に向けて伝えたいことはありますか?
ぜひファッションショーに来てもらえると嬉しいです。ファッションデザイン専攻の哲学をより深く理解できると思います。
