在校生インタビュー

言葉の不安を払拭して
多角的にアプローチできるデザイナーに

専攻デザイン科2年 ファッションデザイン専攻馬 雪婷

  • 1998年中国・吉林省生まれ
  • 2016年中国・延吉市第一高等学校卒業
  • 1998年中国・吉林省生まれ
  • 2016年中国・延吉市第一高等学校卒業

中国から日本に引っ越して就職した会社が婦人靴を取り扱っていたことがきっかけで、ファッション自体に興味を持つようになりました。ちゃんと勉強したいと思い、夜通えるデザイン学校か通信教育を探していたところ、日本語学校の先輩が桑沢の卒業生で、いろいろ話を聞いて〈桑沢〉を選びました。
授業では、実技だけではなく服装の歴史や映画に登場する衣装の観察、リアルな商品企画など、多角的なアプローチでファッションを勉強できました。おかげで実際の現場でも活かしていける複合的な力を身につけられたように思います。
印象に残っているのは、チュートリアルの授業でアンリアレイジのコレクション展示に行ったことです。自然界で昆虫の視覚を助ける紫外線は人間の目には見えませんが、特殊な素材でつくった白いコートやドレスに紫外線をあてると、色や模様が鮮やかに浮かび出る作品でした。ただ観るだけではわからなかったことが、先生の説明で意図が理解できると作品の新しい視点の表現に感動してしまい、帰る時間も忘れて見入っていたら先生が私を探しに来てくださいました。
テキスタイルの授業では染めの原理を学んだり、素材を活かすために編んだりすることで、布に対してそれまでとは違う意識が持てるようになりました。
言葉の不安はありましたが、日本語がわからなくて困っていると、クラスメイトがわかりやすく言い直して助けてくれました。本当の意味で日本のコミュニティに溶け込めた気がしました。
私は絵を描くのが苦手だという意識があり、入学後はそこに一番苦労しましたし、努力もたくさんしました。おかげで今では楽しいと思えるくらいに自信がついています。
自分の頭の中だけで考えているデザインは、いいものにはならない。 相手の立場に立ち、環境保護や人権などいろいろな視点から考えることがデザイナーに求められていると、〈桑沢〉で学んだいま、実感しています。

保護者の方からのメッセージ

この2年間、娘は〈桑沢〉での勉強に打ち込み、帰りが深夜になることもしばしばでした。仕事が休みの日に遊びに行くこともなく、ひたすら課題に取り組んでいました。辛いのではないかと心配しながら見守っていましたが、2年が経った今、娘の成長ぶりには目を見張る思いです。〈桑沢〉で学べて本当によかったと思いました。
1年次の時、先輩の卒業制作のファッションショーでモデルを務める娘の姿が印象的だったことを覚えています。最近は、娘が好みのスカートなどつくってくれるようになって嬉しく思います。

 <インタビュー 2023年>©桑沢デザイン研究所

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